議会の動き

決算特別委員会 18年09月定例会

決算特別委員会

理   事  迎山 志保 議員(加古川市)
委   員  石井 秀武 議員(神戸市西区)

迎山 志保 議員
企画県民部② | 健康福祉部 | 産業労働部 | 農政環境部 |
病院局 | 総括審査
石井 秀武 議員
財政状況 | 企画県民部① | 企画県民部② | 健康福祉部 |
公安委員会 | 農政環境部 | 県土整備部 | 教育委員会 |
企業庁

<迎山 志保 議員>

●企画県民部②

1 NPO法人の整理も含めた環境整備について
(1)NPO法人の活動状況について
(2)適正活動支援に向けた対応について
2 子育て応援の店事業について
(1)子育て応援の店事業の状況について
(2)会員登録における手続きの改善について

全文

日 時:平成30年10月11日(木)
質問者:迎山 志保 委員

1 NPO法人の整理も含めた環境整備について

(1)NPO法人の活動状況について

NPO法施行から20年、兵庫県では、平成30年9月末現在において認証法人数は2,209法人、認定法人は42法人、うち県所管法人は、認証法人1,424法人、認定法人21法人となっており、参画と協働を進める上で大きな役割を担っています。また、県では昨年単年度でも新たに49法人を認証、6法人を認定しており、NPO法人は増加の一途を辿っています。その一方、構成メンバーの高齢化により、人材確保が困難になるなどの理由により、活動が形骸化しているのも少なくない現状があるようです。

NPO法人の活動が事実上休止していたとしても、毎年度所管の都道府県等へ1年間の会計報告書と活動報告書の提出等の法律上の義務があり、行わない場合は罰金などのペナルティはありますが、実態として解散手続きにまでには至っていることは少ないのではないでしょうか。

このような休眠状態にあるNPO法人が問題なければよいのですが、例えば、昨年度、復興関連事業の受注を有利に進めるために、休眠状態にあるNPO法人が売買されているのではないかとの新聞報道がありました。このような問題を起こさないためにも、休眠状態の法人は速やかに解散すべきと考えます。

また、休眠法人を増やさない取り組みも必要です。休眠法人が増える原因の一つとして、外部からのチェックが働きにくいということが言われています。民間の非営利組織評価センターが自主的な対応として、全国の非営利組織の評価を行い公益活動に関する情報公開の推進や評価・認証により、透明性の向上等を支援していますが、その質の見える化にはまだまだ課題があり、県においてもNPO法人の活動実態を把握することは必要だと考えています。

そこで、兵庫県でのNPO法人の実態はどのように把握されているのでしょうか。昨年度の行政の指導による解散件数、法人の自主的な解散件数、また、認証を取消した件数についてもお示しください。

(2)適正活動支援に向けた対応について

NPO制度の趣旨から考えて、行政の強い関与はそぐわないと思います。NPO全体の社会的信頼の向上を図り、健全な多くのNPO法人の活動を支援する意味でも、「認証取消」に至る以前に、組織の立て直しや、解散すべき場合はその手続等について、適切なアドバイスをしていく必要があると思います。そのためには、中間支援団体などの第三者的組織と連携していくことが重要です。

そこで、NPO法人の適正な活動に向けた支援について、どのように考えておられるか伺います。

2 子育て応援の店事業について

(1)子育て応援の店事業の状況について

子育て世帯の経済的な負担軽減に直結するということで、平成19年に始まった子育て応援の店事業ですが、現在、4,700を超える事業所にご登録頂いています。平成29年には全都道府県相互利用が可能になり、県内登録事業所の大半が全国対応も可能となりました。昨年度、内閣府が本事業の協賛店舗等の実態把握及び各自治体アンケートを行いましたが、それによると、利用できる店舗数は19万5,052店で、6年前の19万4,838店からほぼ横ばいでありました。

そこで、兵庫県の協賛店舗等の状況はどうなっているのか、また、利用者の登録数の推移と利活用の状況についてもあわせてお伺いします。

(2)会員登録における手続きの改善について

そもそも、このパスポート会員登録については、実際に自分でもやってみましたが、非常に手続きが煩わしいと感じています。順を追って説明しているイラストでは、まずパソコン表示されたQRコードを携帯で読み込むところから始まります。今の子育て世代ではスマホを持つ親も多く、例えばアプリ化を行うなどにより、スマホ一つで、ワンクリックで空メールを送ることで手続きを進められるようにするぐらいに最低限しないといけないのではないでしょうか。また、県下自治体でも子育てアプリを配信している市町がありますが、県内であっても、それら市町のアプリプリから、子育て応援の店のホームページにリンクが貼られておりません。

そこで、会員登録における操作性についての問題認識と、改善の可能性について、ご所見をお伺いします。

●健康福祉部

1 児童虐待への対応について
(1)県と市町の機能分担について
(2)本庁、中央こども家庭センター等の役割分担について
2 保育の安全の確保について
3 社会福祉法人の適切な監督・指導について

全文

質問日:平成30年10月12日
質問者: 迎山 志保 議員

1.児童虐待への対応について

(1)県と市町の機能分担について

近年の度重なる法改正で強調されているのは対応の明確な役割分担であり、昨年度完全施行された中には児童相談所から市町村への事案送致も新設された。実際わが県では機能分担ができているのか。昨年度「センターと市町との連携ガイドライン」に基づいて、センターから市町へ送致したケース数は。また以前から中核市に対しては児童相談所設置に前向きに取り組むよう働きかけをされているとのことだが該当市の反応は。

(2)本庁、中央こども家庭センター等の役割分担について

児童虐待への対応については、最悪の場合、児童の死亡につながることから、一つのミスが命取りになる。法改正や全国の事例を踏まえて、県市各部署、各職員が課題認識を持ち知識、意識を高める必要がある。

そこで求められるのは明確なビジョンを示すとともに、児童虐待について、司令塔や役割分担をしっかりと定める必要がある。

本庁、中央こども家庭センター、各こども家庭センターの位置づけ・役割分担について問う。

2.保育の安全の確保について

本県の待機児童数は本年4月1日現在で1,988人であり、長きにわたる深刻な課題である。

また量の確保とともに多様な保育形態へのニーズも高く、病児保育事業、延長保育事業、企業主導型保育事業など、新たなサービスが提供されている。

そこで問われるのは保育の質の確保である。昨年の保育施設等における事故は、全国で880件と報告されているが、県内の重大事故件数について伺いたい。

また、県として増えていく保育施設への安全対策を十分考える必要があり、国も監査の強化、とりわけ事前通告なしの監査の活用を求めている。さらに、待機児童数を見ると認可外保育施設を利用する子どもたちも多いと考えられることから、現状を踏まえて対応していくことが大切である。
ついては、昨年度の認可外保育施設に対する立ち入り調査の実施状況と認可外保育の質の確保についての課題認識について問う。

3 社会福祉法人の適切な監督・指導について

昨年度、社会福祉法人制度改革が施行された。公益性、非営利性が改めて徹底される中、先日大きく報道もされたが昨年の県の特別監査で伊丹市の社会

福祉法人の不正経理が発覚した。創業者夫妻に規程等の根拠なく高額報酬が支払われていたほか、親族、ファミリー企業も不当な利益を得ていた。

本法人は県の再三の指導にも従わなかったとのこと。県は指導指針を策定し、一般監査を3年に一度実施することとしているが果たしてそれで十分なのか。

頻度を増やし、抜き打ち検査を強化する必要があると考える。昨年度の監査実績、そこから見えてきた課題は。

●産業労働部

1 多様な主体の就業参画について
(1)女性の就業環境の整備について
(2)障害者の就業・定着の促進について
(3)若者の就労支援について

全文

日 時:平成30年10月15日(月)
質問者:迎山 志保 委員

1 多様な主体の就業参画について

昨年度の1,500社アンケートでは、企業の55%が人材不足を感じている。特に中小企業の状況は厳しく、仕事はあるのに受けられないという現状がある。人材不足による倒産も出てきている。外国人人材活用議論も花盛りだが、女性、障害者、若者など多様な主体の雇用創出が必要であり、そのための就業環境の改善は不可避である。

(1)女性の就業環境の整備について

本県は女子大集積地であるにも関わらず、若い女性の人口流出が深刻である。女性の就職業態は「専門的・技術的職業従事者」、「事務従事者」で約50%を占めている。また、兵庫県は産業構造として製造業の比率が高いという特徴もある。そのため、女性が就業を望む業態の開拓・支援も必要ではないかと考えている。

そこで、昨年キャリア支援事業、女性就業に関し再就職応援セミナー、起業応援セミナーなど開催されているが、女性の状況についてどう分析しており、就業にどうつなげていくのか伺う。

(2)障害者の就業・定着の促進について

障害者雇用促進法に基づき行政や企業には雇用率達成が義務付けられており、未達の企業には納付金が課せられる。今般、中央省庁、また地方自治体でも不正算入で障害者雇用数をカウント、水増しの事実が発覚した。これに対して、厚労相は法令への理解不足があったかもしれないというお粗末なコメントを出している。行政がこのような状態で、障害者雇用促進法の本来の趣旨は共有されているのか。

そこで、障害者就職拡大推進員の配置されている障害者就業・生活支援センターによる就職、定着の状況、及び障害者しごと体験事業の成果とともに、昨年度の一般企業の障害者雇用率について伺う。

(3)若者の就労支援について

兵庫県内でも、人手不足で人材獲得競争が厳しくなる中、高校新卒者の採用を強化する企業も現れている。

一方、新卒の就職者の3年以内の離職率は、バブル崩壊直後や2008年のリーマン・ショック直後を除けば大きな変動はなく、2014年3月卒業者の状況では、大卒者で約30%、高卒者で約40%と一定の離職者が発生している。

この離職者が更に次の職を得て、正社員として就職できればよいが、中にはフリーターのような形の就労状態となる人もいるのではないか。実際に、フリーターの推移を見ると、フリーターが社会問題化した2004年に比べれば減少しているものの、労働力調査の結果では大きな減少とはなっていないようである。非正規雇用は低賃金につながることも多く、様々な社会問題の引き金ともなることから、積極的な対策が必用であると考えている。

そこで、県では若年層の方やフリーターの方のしごと探しの支援を行っているが、若者しごと倶楽部を通じた就職者数と、若者しごと倶楽部サテライト播磨の閉鎖の経緯と影響について伺うとともに、また、長期フリーター対策をどのように進めようとされているのか伺う。

●農政環境部

1 災害廃棄物処理計画について
2 カワウ対策について
3 女性の就農支援について

全文

質問日:平成30年10月16日
質問者: 迎山 志保 議員

 1.災害廃棄物処理計画について

7月の西日本豪雨では、地元東播磨地域も風向きの関係で港湾に大量の廃棄物が打ち上げられたり、水位の下がった加古川では、中洲や橋脚に驚くほどの量のゴミが滞留していた。

また、被害が大きかった倉敷市を訪れたのだが、そこでは、土砂にまみれ、重くなったゴミ処理の大変さを目の当たりにした。ガラスの破片や鋭い木片がそこかしこにあり、壊れた家具は凶器と化し、酷暑の中、異臭がただよい、汚水に混じった菌で破傷風の罹患も確認された。

災害ゴミは、生活再建の大きな妨げになることを実感した。

まずは、仮置き場の確保、大型収集車の配備、その後ゴミを選別、粉砕する2次仮置き場へ、といった一連のスムーズな誘導ができる状況にあるか。地域から広域処理への円滑な移行が効率よい処理につながる。のであり、そのためにあらかじめ策定しておくのが災害廃棄物処理計画である。

しかし、本県においては、31市町が災害廃棄物処理計画の策定がなされていないとのことである。

今年のように台風が続けて上陸したり、長雨による災害が起こることなどは、今後もありうることだ。県は、市町の計画策定支援とともに、市町間、また、災害規模によっては府県間の融通まで含めて準備することが肝要かと思う。

県は27年から3ヵ年にわたって、水害や地震などテーマを設定し、災害廃棄物処理に関する研修を行っている。

これまでの市町職員の参加状況と人材育成、意識啓発などの成果を伺う。

2.カワウ対策について

本県では、平成28年2月にひょうご内水面漁業振興方策を策定し、内水面水産資源の回復、漁場環境の再生に取り組んでいる。生産量はピーク時の2割程度にまで落ち込んではいるものの、最近は下げ止まりの傾向も見られる。これは本県だけではないが、アユ等の稚魚の放流活動に積極的に取り組むなど、各所の努力の成果だと思うのだが、そのような努力を無にする存在の一つがカワウである。カワウは、全国に15万羽も生息するとされ、養殖場の魚や河川で放流後の稚アユ等を大量に捕食するため103億円もの漁業被害が出ているという。本県内にはその内約6千羽がおり、年間約3億7千万円もの被害が出ていると推定されている。年間の生産金額が4億円程度であるから、被害の大きさに驚くほかない。

私が4年ほど前にカワウ被害について、その対応を確認した折には、具体の対策を講じることが難しいとのことであったが、年々増える被害、漁業関係者の悲鳴に近い声もあり、カワウ被害対策協議会が昨年度設置され、被害対策について検討が行われてきた。

しかし、カワウの数は県内の個体数が約6千羽で減少傾向にもないと聞いているため、より一層の対策をとる必要があるのではないだろうか。

空気銃を使用した一斉捕獲やねぐらとなる立木伐採など、新たに取り組まれたカワウ対策の効果について伺う。

3.女性の就農支援について

全国的に農業の担い手確保は課題となっているが、それは本県でも同じである。ひょうご農林水産ビジョン2025を見ても、若者、女性、高齢者などの多様な担い手の確保・育成が農業の競争力強化、持続的発展のための大きなテーマとして設定されている。その中で、私が注目しているのは女性の就農支援のための取組である。

そもそも女性は農業を目指すのか、という疑問を持つ方があるかもしれないが、たとえば、県立農業高校の農業学科の生徒数を見ると、1年生から3年生までの116人の在籍者のうち50人、およそ半数が女子生徒である。特に3年生は39人中22人、実に半数以上となっているなど、農業に魅力を感じている女性は少なくないことがわかる。

本県においても、女性の就農を支援するため、農業分野での女性向け就業応援セミナーや女性農業者ネットワーク交流会、キャリアデザインの形成支援、農業女子との交流会、女性農業者向けの経営力向上研修会等々に取り組まれているが、なかなか新規就農に結びついていない、と聞いている。

私が就農している女性から伺ったところでは、まず、女性が農業分野で起業するのはハードルが高く、どちらかと言うと、法人等への雇用を希望する方が多い反面、人を雇用できるほどの経営体が本県には少ないことが挙げられる。また、農業を基礎から学ぶ環境、それは先程例に挙げた県立農業高校のような学校以外の専門学校などでもよいのだが、それがあまりないことなどが挙げられていた。

つまり、こうした課題を一つ一つクリアしていかなければ、なかなか女性の就農は増えていかないのではないかと考えている。

そこで、まず女性の就農状況を踏まえたこれまでの取組についての認識を伺うとともに、今後、法人経営体の強化や農業を学ぶ場の整備などを含めた総合的な対策の必要性について所見を伺う。

●病院局

1 県立病院における「働き方改革」について
(1)医師の勤務環境について
(2)県立病院に勤務する医療従事者の働き方改革について
2 加古川医療センターの経営状況について

全文

日 時:平成30年10月19日(金)
質問者:迎山 志保 委員

 1 県立病院における「働き方改革」について

(1)医師の勤務環境について

病院事業全体では、平成29年度決算において収支均衡を図り、県民への良質な医療サービスの提供と経営成績の向上に努めています。

こうした県立病院の医療提供体制を継続して維持していくためには、診療機能の充実や経営改善への一層の取り組みを進めることはもちろん、医療の現場を支える医師を確保していくことが不可欠であると考えています。

県立病院に勤務する医師確保の状況は総数では確保されているということですが、医師の診療科偏在や地域偏在は依然として是正されていない状況がありますので、今後も安定的に人材を確保するためには、その働き方についても無関心でいることはできません。今般、過労が原因の自殺への労災認定が相次いで明らかになっています。日々、命と向き合い、応招義務からも逃れられない医師にとって、機械的に割り切った働き方が難しいことは想像に容易いところです。特に医師不足の地域にとっては、医療崩壊につながりかねないジレンマがあります。

そこで、県立病院に勤務する医師をとりまく労働環境の実態を踏まえて、現在認識されている課題についてお伺いします。

(2)県立病院に勤務する医療従事者の働き方改革について

現在の医療では、「チーム医療」の言葉が表わすとおり、医師・看護師だけではなく、それ以外の医療従事者の関わりが一層、重要視されています。

そのような中、病院に勤務する全ての医療従事者の「働き方改革」やワーク・ライフ・バランスへの取り組みを進めることは、職員の仕事への満足度を高めることとなり、持てる能力を十分発揮できることが、県民へのより良質な医療サービスの提供にもつながっていくことになります。

そこで、県立病院に勤務する全ての医療従事者の働き方改革への取り組みについて、ご所見をお伺いします。

2 加古川医療センターの経営状況について

加古川医療センターは、「政策医療を中心に提供するとともに、地域医療に対する補完機能を担う」こととして、平成21年11月に現在の地に移転・開院し、ドクターヘリの拠点として、また平成28年4月には、甲南加古川病院から、リウマチ・膠原病医療、透析医療の移管を受け、これまで9年間、地域の基幹病院として大きな役割を果たしてきております。

経営状況については、平成28年度にようやく経営損益が黒字化し、平成29年度決算も黒字であり、経営状態も安定してきているように思われますが、懸念材料もあります。

平成25年10月に小野市に北播磨総合医療センターが開院、さらに平成28年7月には、加古川西市民病院、加古川東市民病院を統合した600床31診療科の加古川中央市民病院が開設されました。

特に、加古川中央市民病院はハイレベルな医療環境、交通アクセスの良さなどにより、加古川医療センターにも影響が出ております。

そこで、加古川中央市民病院の開院前と開院後の患者数や、その影響についての見解、また、今後加古川医療センターの強みを活かしてどう経営を進めていくのか、ご所見をお伺いします。

●総括

1 真の地方交付税充実へ向けた取組について
2 県政150周年記念事業について
3 人口流出対策について
4 児童福祉人材の活用について
5 県民総活躍の取組について
6 災害に強い森づくりについて
7 地域資源を生かした教育の推進について
8 警察組織の最適化について

全文

質問日:平成30年10月23日
質問者: 迎山 志保 議員

1.真の地方交付税充実へ向けた取組について

10月15日、国と地方の協議の場において地方六団体から国に出された要望に地方交付税の総額を確保するとともに、財源保障機能と財源調整機能の維持・充実を図ることや、累増する『臨時財政対策債の廃止』、地方交付税の法定率の引上げを含めた抜本的な改革等を行い、臨時財政対策債に頼らずに安定的に交付税総額の確保を図ることが明記されていた。

廃止が提案された『臨時財政対策債』だが、17年前の制度導入当初は3年間の臨時的かつ例外的な特例債の位置付けであったのが、経済情勢の悪化等から経過措置の更新が数回行われ、現在平成31年度までの措置となっているものである。

制度導入以前も、地方交付税の不足が慢性化していたが、それを補う財源としては「交付税及び譲与税配布金特別会計(つまり「交付税特会」)」による借入れがその役割を担っていた。しかし、交付税特会による借入れは、未来の地方交付税からの前借りといった制度にもかかわらず、国の特別会計による借金として予算計上され、自治体側の債務としては計上されないこともあり、返済のためのインセンティブが働きにくいことが指摘されていた。

そのため、新たな臨時財政対策債については自治体側が自ら起債し、その残高も自治体側が管理するものとなり、総額等は明確となった。

とはいえ他の地方債と違って、調達した資金には使途の制限は課せられず、その元利償還金については後年度に全額が交付税の基準財政需要額に算入されることから、普通交付税の代替措置とも言われた。つまり、発行しても実質的に自治体の将来負担とはならないとされる(交付税の不交付団体となる東京都のような超健全財政の自治体は除く)。そのため、東京都を除いた46道府県ベースでは国が認めた臨時財政対策債の発行可能額に対する実際の起債額の割合を計算すると、導入年を除いて、100%近い値となっている。

一方、国の財源保障があるというが、既に、過去に割当がなされた臨時財政対策債の元利償還の財源として新規の臨時財政対策債が割当てられている。過去の臨時財政対策債の償還に充てるべき当年度の元利償還金の全額が、新たな発行可能額に優先的に計上される仕組み、つまり実質的には償還せず借り換えていることになっている。平成26(2014)年度には、地方全体の臨時財政対策債発行可能額のうち過去の元利償還金該当分に割り当てられている比率が総額の50%を超えた。もはや臨時的な財源措置ではなく自転車操業のような状態である。

平成20(2008)年度4488億円だった兵庫県の臨時財政対策債残高は平成29年度末1兆5536億円となった。地方全体では53兆円。過去の交付税特会の借入金残高の地方負担分を加えると85兆円にもなる。

本来の地方交付税を充実させなければ、形式的に地方負担はないとはいえ国全体の借金、つまり国民負担に変わるだけで国全体の財政健全化にはならない。

近年、財政状況の公開に際し「臨時財政対策債は県債残高から除く」といったような表現や臨時財政対策債や減収補填債を除いたものを「実質的な県債残高」として表記している本県のような自治体もある。自治体側の債務としては計上されるようになったとはいえ、昔の国の交付税特会による借入れとよく似た他人の借金のような構図はある意味で変わっていない。

臨時財政対策債の残高の増嵩に対する知事の所見、地方交付税の充実についての展望をお聞かせ願いたい。

2.県政150周年記念事業について

県政150周年という節目の年を迎え、県民一人ひとりが歴史を振り返り、兵庫の未来を考える機会とする記念事業が県内で数々取り組まれている。この週末も明石の地でひょうご五国博ふれあいフェスティバルが開かれ県政150周年企画がさまざま披露された。両日とも晴天に恵まれ多くの人で賑わった。もちろん、このような事業を通じて県民がふるさと兵庫を意識し、これまでの歴史に思いを馳せ、これからの未来について考える機会となるのは何よりである。たとえば、教育委員会が取り組んでいる高校生が考える県政150周年記念事業ならば、県立長田高校が150周年記念歌を作り、全国高校総合文化祭や県内のイベント等で披露したり、兵庫高校であれば、地元商店街の魅力を動画にまとめて公開し、人をひきつけるまちづくりに取り組むなど、確かに150周年を意識づけることができる内容となっており、部局審査においてもこの機に生まれた意義ある取組を今後も引き継いでより良いものへと発展させたいとの教育長の答弁もあった。

昨年度、この150周年を記念する事業として県民連携事業がスタートした。多くの県民から好評を頂き今年度分を含めてすでに1,000件を超える事業が採択されている。採択事業を見るとこの機に新たに取り組んだ事業もあるが、恒例事業の冠に県政150周年と銘打たれただけというものも少なくない。「五国の魅力を磨く」「交流の輪を拡げる」「兵庫の未来を創る」を全体のテーマと掲げ、地域の参画と協働をさらに推し進めることを目的としているこの県民連携事業ですが、例年とほぼ変わらない内容の事業に助成することで得られる効果についてはどのようにお考えか。今回の補正予算でさらに上積みされることもあり、まだ事業実施途中ではあるが、既に実施済みの県民連携事業もあるので現時点での評価と今後期待できる効果について伺う。

3.人口流出対策について

このたびの決算委員会における部局審査においても、人口流出対策について多くの質問が出ていた。兵庫県はそもそも人口流出が多いこと、地域創生戦略の実施状況報告を見ても目標どおりの人口流出抑制が図られなかったことなどへの問題意識であり、ご答弁にも対応への難しさを感じた。

知事もおっしゃるように、人口対策の原理原則は自然増対策であることは認識しているが、それもなかなか思うように数字が上がらないということになれば、わが県の活力を維持・向上させるためには何とか社会増対策で、ということになるのも至極当然である。

しかし、その社会増対策も今ひとつ成果があがらないということで、ここは思い切った手段を講じる必要があるのではないだろうか。たとえば、神戸市と連携して、神戸を人口流出の防波堤とすることである。

部局審査において、特に若い女性が東京などに転出する理由として挙げられていた積極的な理由として、①IT、マスコミ、アパレルなど都市部にしかない仕事に就きたい、②おしゃれな店などが多い都市部に魅力を感じている、消極的な理由として、女性が配属される内部事務部門が都市部の本社にある、といった答弁があった。確かに、私が若い女性に聞いても同様の理由を聞いている。部局審査の答弁では、こと東京に対してはギブアップに近い話を聞いたが、やはりできる限り、考えられる限りの手を尽くす必要がある。

そこで、流出の要因として現在分析されている課題を着実にクリアしていく上でも都市としてのブランド力が高い神戸が担う役割は大きく、今後、三宮や県庁周辺も大規模な再整備が計画されている今、兵庫県の人口流出の防波堤となるよう神戸市と連携した取組を進めていくべきではないか、と考えるが所見を伺う。

4.児童福祉人材の活用について

こども家庭センターへの児童虐待相談受付件数は、平成29年度が5,221件で、5年前、平成24年度の2,418件と比べると2倍以上になっている。県内市町、そして全国でも増加傾向は止まらない。

こうした状況を踏まえ、国では、この7月に児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策を閣議決定した。これは今年の3月に東京目黒区で起こった5歳の子どもの虐待死を受けて策定されたものである。

今回注目しているのは、来年度~平成34年度までを期間とする「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」が年内に策定されることになったことである。この中では4年間で約2,000人程度の児童福祉司が増員されることになっている。現行では、平成28年度に策定した児童相談所強化プランに基づき、平成28~31年度の同じく4年間で児童福祉司を550人程度増員しようとしていたのであるから、わずか2年で見直しを余儀なくされるほど深刻な状況と捉えられたということである。もちろん、そのことによって本県の児童虐待防止に係る対策強化にもつながるわけであるから、期待しているところであるが、懸念していることもある。

それは、児童福祉司の職務環境の問題である。

と言うのは、本県の場合、毎年の職員募集において児童福祉司の募集がなされており、職務はこども家庭センターなどで行う児童などの相談、調査、指導、措置などの専門的業務とされている。この内容でわかるように、児童福祉司は採用されればこども家庭センターの最前線での働きが期待されているわけである。

児童福祉司の仕事は、現場で児童虐待を疑われる親や子どもたちなどとの対人業務が中心であるわけだが、児童福祉司の能力としては、もっと幅広な福祉政策全般の知識・経験を持つことも重要なのではないか、と考えている。

と言うのは、児童虐待の背景にあるのは貧困であったり、何らかの障がいが有るなど、他の福祉政策に関わる課題が複雑に絡みあっており、子供を取り巻く多様なケースに向き合う必要があるからである。

たとえば、北海道や愛知県、神奈川県、大阪府、京都府、神戸市などでは福祉職、社会福祉職という形で採用され、児童相談所だけでなくもう少し幅の広い業務に従事できるようになっている。また深刻な現場での職務でありレスパイトの観点からも柔軟な人事を可能にしておくことは有意なのではないだろうか。

児童福祉に関して専門性を磨くことの重要性は十分認識しているが、その専門性に加えて幅広い福祉の実務経験をしていただき、活用を図ることは、今後求められる人材確保の必要性も鑑み、より幅広い福祉人材の活用につながっていくと考えるが、所見を伺う。

5.県民総活躍の取組について

兵庫労働局による県内の有効求人倍率は直近の8月で1.46倍とここ数か月上昇傾向で雇用情勢については着実に改善が進んでいるという情勢判断が示されており、(独法)労働政策研究・研修機構がとりまとめた雇用人員判断DIをみると、2018年9月で大企業が-23、中堅企業が-33、中小企業が-37と人手不足感が強い、となっている。しかし、正規雇用に限っての有効求人倍率をみてみると0.95と1を割っている。この状態は数年にわたって続いているようであるが、これは何を意味しているのかというと、企業は正規雇用よりも非正規雇用を欲しており、その人手が不足していると感じているということであろう。

より安定的な雇用形態である正規雇用化の重要性は認識しつつも、こうした実情においては、潜在労働力すなわち、就業を希望するがそれがかなっていない若者や女性、高齢者、障害者の出番をどうやって創り出すかということが課題である。

AI、IoT、ロボット等最新の科学技術が実用化され、企業に導入されることなどにより、企業は雇用を絞り、仕事の質も高度化した。一旦就職をしても求められる高いコミュニケーション能力などに自信を持てず、離職をすると失敗体験にとらわれ新たなチャレンジができない若者。意欲はあるが子育てや介護との両立で一歩が踏み出せない女性。技術、知識、体力があり社会にその経験を還元したいと思いながらも時間を持て余す高齢者。誰かの役に立ちたい、自立に挑みたいのにその活躍の場が限られる障害者。

就労支援は国がリードしているが、地域、企業のニーズを捉え、仕事を細分化するなどの工夫も凝らしつつ、求職・求人の適切なマッチングを行い、人材不足を解消していくことが県にも求められている。

女性・高齢者の就業率、障がい者の一般就労率が概して低いわが兵庫県。

こうした潜在力を生かしきる取組についてもっと進めていくべきと考えるが、所見を伺う。

6.災害に強い森づくりについて

本県では、平成18年度から県民緑税を活用して、災害に強い森づくりを推進してきている。現在は、平成28年度から始まった第3期のちょうど中間にあたるが、この第3期で8,766haの整備に取り組むことが計画されている。平成29年度は約18億円かけ、緊急防災林整備、里山防災林整備等7事業に取り組まれたわけであるが、部局審査の際の答弁でもあったとおり、制度創設から昨年度までで目標の8割以上の達成率と伺っており、事業は順調に進捗しているものと認識している。
7月の豪雨災害の際、広島県では全国で最も多くの108人が亡くなられたが、そのうちの87人が土砂災害によるものだった。また、JR、国道等への土砂流出により呉市のような都市が陸の孤島状態に陥ってしまい、JR呉線は発災後3ヶ月以上経った今も復旧できておらず、住民の不便な生活は続いている。
このように、山が崩れ、住宅地や道路、線路等に土砂が流出すると人命・財産に大きな被害が生じるだけでなく、直接的な被災地でなくとも広域にわたって観光に大きなダメージを被るなど地域の経済活動にも大きな支障が生じることとなる。

一般的に復旧にかかる予算は予防にかかる予算の2~3倍以上かかるとされ、事前の対策がいかに有効であることを踏まえると、山地が県土の約7割を占め、土砂災害警戒区域の数が全国有数の本県としては、砂防堰堤(えんてい)や治山ダムなどの防災対策を推進するだけでなく、予防策としての森づくりを推進していることは評価できる。1期、2期での事業実施分28,267ヘクタールと合わせ、これまでに32,205ヘクタールに及ぶ災害に強い森づくりが実施されてきたわけであるが、兵庫県の民有林面積からすると今後、対策を講じていくべき森林はまだまだ多数残っており、事業個所の適切な選定も重要になってくると考える。

そこで、災害に強い森づくり事業について、これまでの取組の成果についてどう評価し、それを踏まえて今後どう取り組んでいくのか伺う。

7 地域資源を生かした教育の推進について

特定分野で特別なタレント・才能を発揮する生徒がいる。公教育でその才能を伸ばすことは可能だろうか。静岡大学が取り組んでいる理数教育プロジェクト「浜松トップガンプロジェクト」は「出る杭を伸ばし、1人1人の‘得意’を育てる」という中学生、高校生の才能を伸ばす取組で、小中学生への直接的な教育活動や産官学金が連携したコンテスト実施などを行っている。課外授業では大学教員や企業の研究員が講師をつとめ、自主研究の指導や国際的なプロジェクトへの共同参加などハイレベルな事業展開がなされている。成果も確実に出てきているようで才能の芽を大事に育て開花させている。

県ではこれまで、例えば科学技術系人材の育成という点では、高校においてSSHなども活用して取り組んできたが、今般この事業についても見直し検討がなされ、自治体のさらなる関与を求める必要性も指摘されたところである。国の事業としてこれまで取り組んできた成果も踏まえ、さらに意義あるものとすべく地域の大学、企業との連携の充実を図っていただきたい。

兵庫はスパコン京、スプリング8をはじめ最先端科学技術の集積がある。また構想立ち上げから20年を迎えた神戸医療産業都市も本庶佑理事長のノーベル賞受賞で沸いている。先日の式典でも神戸が世界に知られたバイオクラスターとなることを宣言された。

科学技術の分野だけでなく、ものづくりやICT技術など、兵庫県にある研究機関や大学、世界に進出している県内企業、国際的に活躍する兵庫県出身の人材など、様々な資源が兵庫県にはある。

このようなアドバンテージのある兵庫県において、県内の様々な資源を生かした教育を進めることが、県内児童生徒の才能をのばし、様々な分野で活躍する人材育成につながると思うが、所見を伺う。

8.警察組織の最適化について

警察組織の最適化については、これまでから様々な機会で提案させていただいている。それはやはり犯罪や事故発生の都市部集中の現状からである。

たとえば、神戸・阪神・東播磨地域に姫路市を加えた人口は4,534,906人で約82%を占めている。この地域等における平成29年中の刑法犯認知件数は、全県で50,821件で、そのうち、神戸市内は15,165件で約30%、阪神地域は16,809件で約33%、東播磨地域は6,974件で約14%、姫路市は5,803件で約11%、合計で約88%になる。

一方、警察署に配備されている警察官の定員を見ると、神戸地域は2,597人で約31%、阪神地域は2,343人で約28%、東播磨地域は910人で約11%、姫路市は812人で約9.8%で、合計すると警察署配備の警察官の約80%であり、この数字だけを見ると、以前より少し増員されたもののこれら人口集中地域に警察官が不足しているように思われる。

このような治安情勢の中、最近まで整備されていなかった交番のネットワーク化が進み、平成29年度中には交番325カ所のネットワーク化が完了した。これにより、従来なら警察署へ赴いて行っていた入力作業等が交番で行え、勤務員の作業効率が格段に上がったと聞いている。

このようにハード面の整備を進めるとともに、警察署間での定員見直しによる繁閑差解消や警察組織の再編整備による警察業務の効率化は、県民全体の体感治安の向上、警察官の働き方改革などにつながると考えている。

そこで、警察署の再編、小規模警察署の分庁舎化、警察署間の業務負担の均衡を図るなど、ハード、ソフト両面にわたる最適化に取り組むべきと考えるが、所見を伺う。

迎山 志保
加古川市


<石井 秀武 議員>

●財政状況

1 会計事務の適正化について
2 業務改善へのICT技術の活用について
3 事業評価について
4 借換債の前倒し発行について
(1)金利が上昇した場合の影響について
(2)基金に留保した資金の活用について
5 社会保障に係る財源の確保について
6 宿泊税の導入について

全文

日 時:平成30年10月10日(水)
質問者:石井 秀武 委員

1 会計事務の適正化について

私は昨年度まで監査委員として県の事務をチェックしてきましたが、その際、感じた課題点をもとに質問したいと思います。

毎年度、決算監査において、多くの会計事務の誤りが散見されます。もちろん人が行うことですので、ミスはどうしてもなくすことはできません。県の事務は県民の多様ニーズへの対応や幅広い事務を処理されており、また、この11年間の行財政改革に取り組みにより職員数も減少するなど、職員の一人当たりの業務は増加する一方です。

そのため、会計事務をはじめとする様々な事務に十分な時間を割くことが難しくなっていることも一因ではないかと考えています。ミスをなくすことはできませんが、どのようにしてミスをなくしていくのかという視点が必要ではないでしょうか。

国では、昨年度、地方自治法等の一部を改正する法律により、監査制度の充実強化及び地方公共団体の長や職員等の損害賠償責任の見直し等とともに、内部統制制度の導入を決めました。これは、あらかじめリスクがあることを前提として、組織的に適正な業務が執行されることにより、マネジメントが強化され、政策的な課題に対する重点的な資源の投入が可能となったり、職員にとっても業務の効率化等により安心して働きやすい魅力的な職場環境が実現されるという考えによるもののようです。

現状でも、知事は会計事務等に係る独立した権限を会計管理者に付与し、支出命令と支出命令確認を分離することなどにより、会計事務の適正な執行を確保していること、また、議会や監査委員制度等の外部機関がチェックすることなどが行われており、一定機能している所ではありますが、今後、本格的に導入される内部統制制度を参考にして、現時点においてもリスクの可視化等について、取り組みを進めることが必要ではないかと考えます。

そこで、これまで会計事務の適正化につなげるために、各部局への指導にあたってどのような工夫をされているのか、またその結果どのような改善につながったのか、お伺いします。

2 業務改善へのICT技術の活用について

2点目は「業務改善へのICT技術の活用について」です。

前の質問でも述べましたが、県の事務は県民の多様ニーズへの対応するため、幅広い事務の処理が必要となっていること、また行財政改革により職員数が減少しているなど、職員の業務量は年々増加してきていると認識しております。

本定例会で、2019年度以降の行財政構造改革に関連する議案が提出され、審議されましたが、その中では、「社会経済情勢の変化等を踏まえて県民ニーズを的確に捉えた施策を展開」とありますが、今後も職員の増員は見込めません。

人口減少対策やインバウンド対策、防災・減災対策など、今後も多様な行政ニーズが想定される中、一方で、職員のワーク・ライフ・バランスにも対応していく必要があるなど、業務量の増加と職員の働き方改革を両方達成するためには、如何に業務の効率化を進めるかが鍵になってくるのではないでしょうか。私は、業務の効率化には、ICTを積極的に取り入れることが必要と考えます。

昨年、政府においては、平成28年度に施行された「官民データ活用推進基本法」に基づき、「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」を策定しました。基本法では、地方のデジタル化を推進するため、都道府県における基本計画の策定を義務づけており、数はまだ多くはありませんが、近畿では滋賀県が既に計画を策定されているなど取り組みが進められています。本県でも、今年度より「ひょうご・データ利活用推進本部」を設置して、全庁的に取り組んでいるとお聞きしています。

そこで、他府県でもAIやRPAといったICT技術の内部事務への活用について検討が始まっていると聞いていますが、本県におけるこれまでの内部事務へのICT活用の取り組み、また今後新たに作成する基本計画において、業務効率化をどう位置づけようとされるのか、お伺いします。

3 事業評価について

これまでの行革の取り組みにより、限られた財源の中、「選択と集中」また「スクラップ・アンド・ビルド」により、全体としては効果的に事業を進められてきたと感じています。

そのような中、事業の執行にあたり1点気になる点があります。監査委員として本庁だけでなく、県民局についても事業の執行状況について監査を行ってきましたが、県民局で実施している事業の中には、例えば本庁でも行われている民間企業を使った地元就職説明会が実施されているなど、本庁で実施している事業と似たような事業、また本庁や市町で実施した方がメリットがあるのではないかと思われるような事業もわずかに見受けられました。

当然、当初予算要求の際には厳しい目で事業の必要性等を確認された上で、事業を実施しているのですが、全庁的横断的にその必要性を確認するようなシステムになっているのでしょうか。

今年度、収支均衡をはじめとする財政運営の目標を概ね達成する見込みであり、2019年度以降は新たなステージに立つこととなりますが、財政状況としては依然厳しい状況が続きます。そのため、今後も事業効果を十分精査した上で実施していく必要があると思います。

そこで、これまで県民局・県民センターを含む全県的な視点でどのように事業効果等の評価をされてきたのか、ご所見をお伺いします。

4 借換債の前倒し発行について

(1)金利が上昇した場合の影響について

県では、県債が有利に調達できる超低金利環境を踏まえて、起債許可条件の範囲内で借換率の引き上げを行い、基金に留保した上で、今後の金利上昇局面における金利負担や借換債の縮減のために活用するため、借換債の前倒し発行を平成28年度から実施しており、平成28年度は400億、平成29年度は450億の計850億円の前倒し発行を行っています。

現在は日銀のマイナス金利政策によって、超低金利環境が継続していますが、いずれは、異次元の金融緩和政策の出口戦略が描かれ、金利が上昇すると見込まれる中、利子負担の軽減につながる有効な手法ではないかと評価しています。

そこで、日銀が平成25年4月に量的・質的金融緩和政策を導入して以降、10年国債の金利1%前後から徐々に低下していると思いますが、仮に導入前の水準まで金利が上昇した場合、県の財政にどの程度の影響があるのか、当局の所見を伺います。

(2)基金に留保した資金の活用について

過去2年間、借換債の前倒し発行による調達を行ってこられたのは、金利が低い水準にあると判断されたということだと思いますが、今年度は金利環境をどのように分析し、前倒し発行を予定しているのかどうか、所見をお伺いします。

また、基金に留保した資金については、いずれ借換債の縮減のために活用する必要が生じますが、金利が上昇したタイミングを捉え、前倒し調達のメリットを生み出すためには、非常に難しい判断が必要と考えます。

そこで、基金に留保した資金の活用について、現時点でどのような方針で実施しようとしているのか、当局の所見をお伺いします。

5 社会保障に係る財源の確保について

今年3月に地域創生戦略が改定されましたが、その中で人口対策のうち自然増対策として、従来からある「子ども・子育て対策」に新たに「健康長寿対策」が加わり、あわせて取り組むことになりました。

自然増対策については、兵庫県の活力の維持を考えた場合に基盤となるものであり、長期的な視点での対応が必要ではないかと考えております。しかしながら、子ども・子育て対策では子育て環境の整備などに予算が必要ですし、一方の健康長寿対策では高齢者がいつまでも地域で暮らしていけるよう、医療・介護・住まい等、幅広い分野にわたる地域ぐるみの支援体制の構築が必要となるなど、高齢者の割合が増加していく中、今後も必要な予算は右肩上がりとなることが見込まれます。

決算資料を見ると、消費税率が5%から8%に引き上げられましたが、それに伴う増収額は385億円と平成28年度から29年度にかけて6億円増加しているものの、その充当については社会保障の充実分が40億円増加したのに対して、安定化分は34億円の減少となっています。

つまり、税収はほぼ平年度化して大きく増えない中において、保育所定員の増加などによって保育所運営等にかかる充実分により、多く予算を回さざるを得なくなる一方、介護報酬など社会保障の自然増に充てられる分が減少すれば、その分県の財政運営が厳しくなるのではないでしょうか。

そこで、県民の安心を確保するためにも、社会保障の財源をしっかりと確保することが必要と考えますが、特に財源確保にあたっては国への働きかけが重要と考えますが、どのようにお考えであるのか、ご所見をお伺いします。

6 宿泊税の導入について

県では訪日外国人旅行者の急増など、近年の兵庫のツーリズムをとりまく環境の変化等を踏まえ、「ひょうごツーリズム戦略」を策定し、誘客対策に積極的に取り組んでおられます。2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されますし、少子高齢化が進む中で、地域経済を支えるためには外国人観光客の誘客対策が重要となってきているのではないでしょうか。

もちろん、国内観光客への対策も重要です。例えば、誘客促進の取り組みの中には、Wi-Fiの整備やキャッシュレス化など、国内外の観光客を問わず効果があるものもあります。こうした国内観光客にも効果のある環境整備を進めるためにも、財源確保は必要なものと考えます。

我が会派の竹内議員が、平成29年度予算特別委員会において、兵庫県でも宿泊税の導入を検討すべきではとの質問をしましたが、その時は「宿泊動向への影響の分析などが必要であり、導入には産業労働部とも連携しながら研究を深めていきたい。」との回答でありました。東京都の導入から16年、この10月には京都市においても宿泊税を導入するなど、徐々に導入が広がってきています。また、税導入による大幅な観光客の減少も聞きません。

そこで、本県としても国内外の観光客を呼び込むための様々な観光振興施策を展開するにあたり、これらの施策の財源として宿泊税の導入を検討していくべきでないかと考えますが、ご所見をお伺いします。

●企画県民部①

1 消防団活性化に向けた取組の推進について

全文

質問日:平成30年10月11日
質問者:石井 秀武 議員

1.消防団活性化に向けた取組の推進について

消防団は、消防組織法に基づいて設置されているれっきとした消防機関であり、その団員は非常勤特別職の公務員に位置づけられている。

常備消防と比べると、地域密着性、要因動員力、即時対応力の点で特徴を持っているとされている。

確かに、消防団員は、その地域で居住又は勤務している人が団員となっているので、地域とのつながりが深く、また、地域の実情をよく知っていることから、災害現場で、より的確な判断や対応が可能となる。また、常備消防の職員数と比較して、人数が多いので、特に大規模災害時や林野火災時、行方不明者の捜索には、その動員力により大きな力を発揮する。さらに、消防団員は、日頃から教育訓練を受けており、消防についての技術と知識を習得していることから、災害現場ですぐに活動ができる。

こうした特徴を現場で最大限生かすことが出来れば、地域防災力は維持できると思う。

しかし、現在、消防団員数は全国的に減少傾向にある。総務省のまとめたデータを見ると、全国で平成29年度に85万人いたものが6,670人減り、平成30年4月1日現在84万4千人ほどになっている。本県は全国1の消防団員数を誇っているわけであるが、減少傾向は同様である。全国的な少子高齢化がこれからも進展していくことから、団員の高齢化や数の減少傾向は、続いていくものと思われる。

数が減れば、要因動員力や即時対応力も低下し、ひいては地域の防災力低下につながっていくわけであるから、消防団員の減少を食い止めるか、それに変わる対策を構築する必要がある。

私は、この消防団員の減少の原因は、休みが取りにくい勤め人が増えたこともあるとは思うのだが、それ以外に、消防団活動への理解や共感が少なくなってきている現れではないかとも考えている。たとえば、会派として海外の先進事例を調査するためドイツを訪れたことがあるのだが、ドイツでは住民が消防団に敬意を払い、非常に信頼感を持っているという。先程、我が国の消防団員数は85万人を切ったと申し上げたが、ドイツは100万人を超えているという。ドイツの人口が我が国の6割程度ということを考えると、非常の数が多いと言うことであるから、ドイツの住民の消防団に対する意識の高さが伺える。我が国、あるいは本県において住民がそこまでの思いを消防団に持っているようには思えない。

今後、南海トラフ巨大地震を始め、台風や豪雨災害等々、様々な災害に対する地域防災力が課題とされていることを踏まえると、消防団の存在は非常に重要であるため、消防団員の減少を食い止めるか、それに変わる対策を講じていく必要がある。

国では、東日本大震災等を踏まえ、「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」を制定し、地域防災力の強化に着手しているが、このことは、消防団活性化に向けた取組を進める上で追い風になるのではないかと考えている。

そこで、本県として消防団活性化に向けて、もっと活動を広く県民に周知する取組や、消防団に加入しやすい環境づくりなどに取り組んでいく必要があると思うが、これまでどのような取組を行ってきたのか伺うとともに、今後どういう点に重点を置いて取組を進めていこうと考えているのか伺う。

●企画県民部②

1 「県民の歌」について
2 社会増による人口流出対策について

全文

質問日:平成30年10月11日
質問者:石井 秀武 議員

1.「県民の歌」について

「県民の歌」制定については、平成28年9月定例会で質問したことがある。ほとんどの都道府県に存在する都道府県民歌の中でも、特に長野県の「信濃の国」という県民歌は、県民の9割が歌えるというように普及しているという。学校の運動会、卒業式等行事の際に校歌とともに歌われたり、大人になってからも同窓会やアルプススタンドでの応援で歌ったりするなどしているそうなので、9割という数字もあながち大げさな数字ではないようである。

そこで、私は、県政150周年の節目に、「信濃の国」のように県民に歌い継がれる県民歌を制定することにより、新たなステージへの機運を盛り上げてはどうか、という提案をさせていただいた。

当時、知事からは、「ひょうご県民の日」とともに、県民の一体感やふるさと意識を醸成していくための提案の一つとして、県民の意見を聞きながら今後検討していく、との答弁があった。その後、特段、検討の過程を確認していなかったが、今年2月定例会の山本議員から「県民の日」制定についての質問に対して、知事は、「一つの兵庫としての一体感を育むために何をなすべきか、ご指摘の県民の日の制定、あるいは県の歌の制定なども含めまして広く検討する必要がある、このように考えます。議会も含め、県民の皆さんにも、この点について議論をし検討していただき、この広がりが持たれることを私も期待をいたしております。」との答弁があった。

それを聞いて、知事が山本議員の質問にはなかった「県民の歌」制定にまで踏み込んだ答弁を行ったことは、知事も「県民の歌」制定にかなり前向きな考えになっているのでは、と期待したところである。

しかし、9月18日に開催された150周年記念事業企画委員会の報告を聞くと、「県民の日」は12月に中間報告、来年3月のフィナーレイベントで発表、というスケジュールが示されるとともに、県民モニターや学校等へのアンケート調査まで行われている。さらに、7月12日がいいとか、8月21日がいいのではなど、具体的な日程まで議論されている。

一方、「県民の歌」の方は俎上にものぼっていない。

そこで、「県民の歌」に関する検討の状況と、今後どう取り扱おうと考えているのか伺う。

2.社会増による人口流出対策について

本県は、人口移動において転出超過が多いことは周知のことであるが、今後ますます子どもが減り、高齢化が進行していくという状況の中で、自然増もままならず、社会減が進行していくということになれば、本県の人口はジリ貧になるということである。

先日の一般質問で、自民党の高橋議員が人口増対策について質問されていたが、その際の答弁で知事は、人口の自然増対策が一番重要な課題であること、社会増対策は、東京から移ってもらうような対策を重点化する必要があるという答弁をされていた。

確かに、自然増対策が功を奏し、出生数が上向けばいいのだが、兵庫県地域創生戦略の29年度実施状況報告書を見ると、出生数44,000人確保という目標に対し42,198人にとどまったとある。ここ10年の自然減と自然増の差を見ると、毎年差が開いていっており、平成29年は15,053人となった。平成20年が201人だったことを考えると、わずか10年ほどで、と隔世の感がある。自然減が右肩上がりで増えている状況と、いろいろ手をうっても自然増が右肩下がりである状況を踏まえると、社会増による人口流出対策に重点を置いていくべきではないだろうか。

先程の高橋議員への答弁で、知事は、3年間の取組で評価するのは早計で、今必要とされる事業や施策を継続してやりながら、追加すべき対策を追加していく、その姿勢が必要なのでは、という趣旨のことをおっしゃっていた。しかし、県は地域創生戦略で取り組む以前から、様々な対策をとっていたはずだと思うのだがどうだろうか。

その社会増対策であるが、先程の実施状況報告書では、流出抑制5,140人を目標にしていたところ435人にとどまったとある。平成31年の目標年次まで25,700人の流出抑制を目指しているところであるが、かなり目標達成は厳しくなってきたのではないかと思っている。

確かに、社会経済情勢等の変化により、県がいくら効果的と思われる施策を講じても、なかなか効果が現れないこともあるだろうし、これをやれば絶対効果が出る、という施策もなかなかむずかしいことは承知している。

ただ、やはり決算委員会であるので、実績について分析し、評価した上で次につなげていくということが重要だと思う。

そこで、29年度の社会増対策の実績についてどう評価しているのか伺うとともに、軌道修正なり追加なりの対策をどのように考えているのか伺う。

●健康福祉部

1 障害者スポーツ施設の環境整備について
(1)スポーツ施設の魅力向上について
(2)災害時の受入態勢について

全文

日 時:平成30年10月12日(金)
質問者:石井 秀武 委員

1 障害者スポーツ施設の環境整備について

(1)スポーツ施設の魅力向上について

障害の有無等に関わりなく、全ての人が持てる力を発揮して活動することができるユニバーサル社会の実現を目指す兵庫県においては、障害をもつ方の社会参加、生きがいづくりの観点からも、多くの障害者にスポーツに参加する機会を提供することは非常に重要なものと考えております。

県ではこれまでも、県立障害者スポーツ交流館や県立ふれあいスポーツ交流館の2つのスポーツ施設を整備し、障害者スポーツの振興に取り組んできました。施設の稼働率も非常に高く、障害をもつ方だけでなく地域の方を含め、多くの利用者にスポーツ活動に取り組める環境を提供してきています。

しかしながら、現在、パブリック・コメント中の新たな障害者スポーツ施設の基本構想の中にある障害者スポーツ競技団体へのアンケートの結果では、全県的な中核拠点施設である障害者スポーツ交流館の課題として、温水プールや常設の卓球室、会議室、研修室の設置など、利用者から見たさまざまな意見が出されており、県民への魅力あるスポーツ施設の提供には、更なる努力が必要であると考えます。

そこで、これまで県立障害者スポーツ交流館において、その魅力向上のためにどのような取り組みをされてきたのか、また、既存の交流館に加え、新たな障害者スポーツ施設が整備された場合、連携した魅力向上が必要と考えますが、例えば、車を利用される利用者も多いと推察されます。現状でも利用率は高く、大きなイベントなどでは障害者スポーツ交流館の駐車場だけでは足りないとの話も聞いています。そのため、建物内の設備の充実だけでなく、駐車場設備の充実も必要と考えますが、今年度、基本構想をつくられる中で、どのように検討されているのか、あわせてお伺いします。

(2)災害時の受入態勢について

近年、異常気象等の影響による自然災害が頻繁に発生しております。特に、今年は6月の大阪府北部地震や7月豪雨、また9月の台風21号による被害など、実際に避難を伴う災害が多く発生しており、今後もこのような大きな被害を伴う災害が一定発生するのではないかと考えております。

このような災害が発生した場合、基本は市町が指定する避難所へ避難することになりますが、災害の規模が大きい場合や緊急時には指定の避難所だけではなく、地域のスペースのある公共施設へ避難される方も出てくる可能性があるのではないでしょうか。実際に、避難所として指定されていない学校で、地域住民が避難されて対応されたというような話もお聞きします。

そこで、県立障害者スポーツ交流館も広いスペースを持っておりますので、やむを得ず避難してくる可能性もあると考えますが、そのような場合にどのように対応されるのでしょうか。また、あわせて今年度検討されている新たな障害者スポーツ施設には、このような災害に対する受入れも想定した検討をされているのか、お伺いします。

●公安委員会

1 路肩に停車し携帯電話等を使用する行為の防止について
2 住民の身近な困りごとに対する警察の対応について
3 指名手配被疑者の検挙方策について
(1)留置施設における被疑者等の動静監視及び逃走防止対策について
(2)指名手配被疑者等逮捕に向けた取組と他府県警察との連携について

全文

質問日:平成30年10月15日
質問者:石井 秀武 議員

1.路肩に停車し携帯電話等を使用する行為の防止について

路肩に停車もしくは駐車することは、道路交通法上、基本的には禁止されており、人の乗降と貨物の積み卸しなど一定の理由がある場合のみ許されている。

しかし、最近、路肩に駐車して携帯電話を使用している光景をよく目にする。これが駐車禁止あるいは駐停車禁止区域であればもちろん違反であることは運転者もわかっていることと思う。

では、そうした区域を避ければ停車していいのかというと、そういうわけではない。それほど道幅が広くなかったり、カーブの途中で停車すれば、交通量がそれなりにある道路では、円滑な交通が妨げられる。さらに、通行人や自転車の進行の妨げにもなる。

基本的には、運転中ならドライブモードにしておき、目的地に着いてから、あるいは安全に停車できる場所に移動してから電話するか、Bluetoothハンズフリーキットを付けるかなどすべきであり、運転者のマナーの問題といえる。ただ、先にも述べたように、駐車・駐停車禁止区域以外でも違反になる場合があるということは自覚されていないようにも思える。

そこで、路肩に停車して携帯電話等を使用する行為を未然に防止するための啓発を強化する必要があると思うが、県警として、これまでどういう取組を行ってきたのか、また、今後どう取り組んでいこうと考えているのか伺う。

2.住民の身近な困りごとに対する警察の対応について

これは私が相談を受けた事例であるが、ごく小規模な民間の月極駐車場において、同じ車が他人の借りているスペースに1日無断駐車するため、その賃借人から苦情を言われて迷惑を被っているという。

その車に無断駐車を注意する貼り紙をしても効果がないという悪質な例なのであるが、ここまでひどい例でなければ、私の経験を踏まえても、私有地への無断駐車はよくあると思っている。

確かに、私有地である以上、まず警察にというのではなく、民事的に解決すべき話であることは承知しているのだが、あまりにも悪質な場合は、停める人間も悪質である可能性があり、所謂逆ギレされて恐い思いや危ない思いをしたりすることも考えられるため、なかなか単独で対応をするというのも、勇気のいることである。

そこで、こうした住民に身近な困りごとについて、警察としても何らかの対応が期待されていると思うが、いかがか。

3.指名手配被疑者の検挙方策について

(1)留置施設における被疑者等の動静監視及び逃走防止対策について

本年8月12日に大阪府富田林警察から逃走していた被疑者が、9月29日、発生場所から約350キロメートルも離れた山口県周(しゅう)南(なん)市内の道の駅で、万引き容疑で逮捕された。

報道によると、警察署の留置施設から、弁護士との接見後に面会室のアクリル板をこじ開けて逃走したとのことで、それが事実なら、本県でも発生しうる事案ではないだろうか。

また、発生当初は、大阪府内を逃走しているようなニュースであったが、どのような経路をたどったのかは現段階では判明していないものの、大阪府から山口県まで逃走していたことを考えると、兵庫県内をいずれかの方法で通過していたと考えるのが自然であり、大変驚いている。

大阪府警では、逃走事件発生の翌日に被疑者を全国に指名手配して公開捜査を行い、私たちもテレビのニュースなどで被疑者の顔写真や動画を見ることができた。

これはいわゆる「公開捜査」というもので、公開捜査であれば、全国警察に手配されるだけでなく、テレビのニュースや新聞、警察のホームページ、警察署、交番などにポスターやチラシが掲示されることとなる。

しかし、指名手配された被疑者が全て公開捜査されているというものではない。

全国で指名手配されている被疑者の数は、本年6月末現在で665件となり、公開捜査されている被疑者はその中のごく一部になるそうである。

兵庫県は、日本のほぼ中心に位置し、1868年の神戸港開港以来、日本の玄関口として発展し、国内の各都市とも高速道路、鉄道、航空、船舶で結ばれ、東からも西からも、日本を縦断するためには必ず通過することとなる日本の要所である。

そのため、今回の被疑者以外にも、複数の指名手配被疑者が通過又は潜伏する可能性があり、県民としては不安でならないのではないかと思う。

そこで、まず、同種逃走事件が繰り返されないために、本県の留置施設では、被疑者等に対してどのように動静監視を行い、また、施設の盲点をついた逃走を防止する対策ついて、その所見を伺う。

(2)指名手配被疑者等逮捕に向けた取組と他府県警察との連携について

今回の逃走事件はレアケースではあるとは認識しているが、逃走被疑者に限らず、指名手配被疑者は先程も述べたように多数いることから、その逮捕に全力を挙げてほしいと考えるのだが、そのための県警の取組の現状と、他府県警察との連携状況について所見を伺う。

●農政環境部

1 農地の災害復旧について
(1)被災時の農家の負担状況について
(2)被災農家への支援について

全文

日 時:平成30年10月16日(火)
質問者:石井 秀武 委員

1 農地の災害復旧について

(1)被災時の農家の負担状況について

農地の災害復旧に関して質問したいと思います。

先般、神戸市内の農家から相談を受けました。その内容は、農地が被災したので、農協へ相談に行ったところ、「被害額が40万円以上あるので、工事費については国の補助が受けられるが、そのために必要な測量費や事務費を負担してもらわなければならず、負担額は、激甚指定を受けた場合は総費用の約30%、そうでない場合は40%~50%になる」と説明を受けたようで、負担額が大きく、申請するかどうか迷っているとのことでありました。

災害復旧では基本的に国の補助金が活用することが可能で、災害の規模が大きくなるほど国の補助率は高くなり、激甚災害の場合は95%以上になると承知していますが、測量費など、災害復旧事業の対象にならない費用を含めると、農家負担は決して少なくないと考えられます。

神戸市の場合、農地の災害復旧事業はJA兵庫六甲が事業主体となり実施していることから、農協へ支払う負担も加わり、例えば本工事費、調査費の合計が約100万円程度、激甚法に基づく国庫補助率を平成29年度並みの95%と仮定して、その農家の負担額を計算したところ、私が行った簡易な計算では、神戸市の場合と測量費や事務費の負担を求めず、国庫補助残にも市町負担がある場合とでは、15万円を超える差がありました。

事業に係る人件費等をすべて農協が負担することは難しいことは理解できますが、その費用が大きく農家の負担になっているのであれば、農業の持続的発展の観点からも何とかしなければならないと考えます。

そこで、まず、このように農協が事業主体となっていて、また、測量費や事務費について農家に負担を求めているのは神戸市だけであるのか、県内の状況について、県当局としてどのように把握しているのか、お伺いします。

(2)被災農家への支援について

例年、被害件数と災害復旧事業の実施件数との間には大きな差があります。これは、1箇所の被害額が40万円以上という事業要件によるものだと思いますが、中には40万円以上であっても、負担が大きいために申請をあきらめたという事例もあるのではないでしょうか。農家の営農再開への意欲を削いでいるのではないかと心配しています。

国の支援制度が最大限に活用され、一人でも多く農家が救済されるよう、県として神戸市への指導、助言を行っていただきたいと考えますが、ご所見をお伺いします。

●県土整備部

1 サイクルツーリズムの推進による淡路地域の活性化について
2 明石港東外港地区の再開発について
3 神戸西部地域の交通確保について
4 明石公園のあり方について
(1)明石城築城400周年に向けた魅力向上について
(2)抜本的な見直しによるあり方検討について
5 新西宮ヨットハーバーの災害対策について

全文

日 時:平成30年10月17日(水)
質問者:石井 秀武 委員

1 サイクルツーリズムの推進による淡路地域の活性化について

私は自転車・サイクルツーリズムの活用により、ロードレース・自転車が地域活性化につながることから、例えば、ホビーレーサー向けのサイクルイベントである淡路島ロングライド150を開催してきた実績を持つ、淡路地域でのツアー・オブ・ジャパンの誘致や独自のサイクルイベントとして、ツール・ド・淡路の開催など、サイクルイベントの実施を提案してきました。

今年6月には、政府もサイクリング外国人観光客の誘致に向け、国際水準の自転車道整備を後押しするため、サイクルツーリズムの推進による観光立国の実現を目標の一つとした、自転車の活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本計画である「自転車活用推進計画」を閣議決定するなど、観光面の取り組みを進めようとしています。

また、計画の中では、自治体などが管理している各地の自転車道から、2020年度末までに先進的なサイクリング環境の整備を目指すモデルルートを40ルート選定し、走行環境整備や受入環境整備等が整えば、世界に誇る自転車道として認定する方針となっているようです。

県では「歩行者・自転車分離大作戦」により歩道・路肩のカラー舗装化等歩行者と自転車の分離について取り組みを進められており、自転車道は、歩行者・自転車の安全対策としての整備が基本であることは認識しておりますが、瀬戸内の島々を結ぶ「しまなみ海道サイクリングロード」では、宿泊施設や標識等の整備により、国内外から人気を得ている事例もあります。国の新たな動きにあわせて積極的な展開を検討してはどうかと考えます。

そこで、淡路島内のサイクルツーリズムの推進に向けた走行環境整備についてどのように考えておられるのか、また、国交省が国営明石海峡公園淡路地区内にリゾート整備を進めようとされているようですが、サイクリング拠点としての要素も国に働きかけるなどできないのか、お伺いします。

2 明石港東外港(ひがしがいこう)地区の再開発について

明石市では、明石駅前南地区再開発事業などの活性化に向けた取り組みが行われ、これを機に、県では、明石市中心市街地の南の拠点と位置づけられている明石港周辺のあり方や東外港地区に望まれる将来像を踏まえ、明石港東外港地区公共ふ頭などの再開発計画を取りまとめるため、有識者や地元代表などで構成する「明石港東外港(ひがしがいこう)地区再開発計画検討委員会」を設置し、検討を行ってこられました。

パブリック・コメントによる県民の意見も踏まえながら、今年3月に公表された再開発計画には、中心市街地の南の拠点を形成し、回遊性を高めることにより、中心市街地のさらなる「にぎわい創出」を図ることとしており、土地利用の例としては、明石港の新たなシンボルとなる賑わいゾーンを計画地中央部に配置するほか、南側には明石海峡を望むウォーターフロントゾーン、西側にはみなとを活かしたウォーターフロントゾーン等を配置するなど、県民アイデアの募集結果も踏まえながら取りまとめられています。

そこで、来年度以降に事業者の公募を行い、具体的に事業を進めて行かれることになると思いますが、再開発計画が当初の予定どおり進んでいるのかお伺いします。

 3 神戸西部地域の交通確保について

神戸西部地域の交通を確保するために、昭和41年11月に都市計画決定され、整備が進められている明石市域の江井ヶ島松陰新田線及び、昭和45年12月に都市計画決定された神戸市域の玉津大久保線についてお伺いします。

臨海部においては、東西方向の国道2号を中心とした基幹道路が、物流交通と生活交通が混在するなどの影響により、需要が大きく慢性的な渋滞が発生しているといった現状があります。そのため、神戸市と明石市にまたがるこの路線の整備は、地域の東西交通を補強し、国道2号等の渋滞緩和による県民生活の利便性・安全性の向上を図るためにも、早期の全線供用が求められております。

しかしながら、明石市側では市で予算を確保し、着実に整備に向けて事業が進められているようですが、神戸市側では未だに整備について検討段階であり、事業が進んでいない状況にあると聞いています。

本事業に関係する神戸市と明石市では、玉津・大久保地域間道路連絡調整会議を年2回実施し、今年度も6月に連絡会議を開催して情報共有等を図っているようですが、両市の間での調整だけでは、早期の供用に向けた整備は難しいのではないでしょうか。

私は平成28年9月定例会でも質問しましたが、県として、広域的な交通政策の観点から積極的に神戸市と明石市との事業実施に向けた調整を図る必要があるのではないかと考えています。

そこで、現状の事業の進捗状況と、これまで県として事業が円滑に進むようどのように取り組まれてきたのか、ご所見をお伺いします。

4 明石公園のあり方について

(1)明石城築城400周年に向けた魅力向上について

都市公園は、都市環境の改善、自然環境の保全、良好な景観形成、都市防災など都市環境の向上に対して寄与すること、また、その利用によりレクリエーション、文化活動、地域活動、子育てや健康づくりの場となる利用効果があり、豊かな生活を実現する上で必要不可欠なものとなっています。

兵庫県では15公園の県立都市公園を供用しており、その面積は約1,135haと都道府県立都市公園では全国3位となります。ゆたかな暮らしを支える公園づくりにより、県立都市公園が県民共有の資産として、より一層効果を発現するよう取り組んで行く必要があると考えております。

特に明石公園では、今年、県立公園開園100周年、来年には明石城築城400周年という大きな節目を迎えており、都市近郊で駅前の立地ということもあり、平成 28年度の利用者数は約250万人と県立都市公園の中では最も利用者数が多い都市公園ではありますが、近年の利用者数は伸び悩んでおり、地域の活性化につなげていくためにも、イベント等による更なる知名度向上を図るなど、利用者向上に向けた積極的な取り組みが必要ではないでしょうか。

そこで、これまでも明石城を中心とした魅力向上として、「日本さくら名所100選」にも選ばれた約千本ある桜の樹勢回復や堀の水質改善などさまざまな取り組みを行っておられますが、これまで利用者増に効果のあった取り組みとしてどのようなものがあるのか、また地元明石市との連携状況についても、あわせてお伺いします。

(2)抜本的な見直しによるあり方検討について

平成28年度に策定した「兵庫県立都市公園の整備・管理運営基本計画」においても、明石城築城400年を契機としたイベント、中長期の公園のあり方検討により活性化を図ることとなっています。

明石公園は文化財保護法に基づく史跡の指定を受けている城跡に加え、スポーツ施設、さらに県立図書館があり、また、史跡の保存に伴う空間的な制約があるなど、公園全体のあり方を検討するには非常に難しい問題があることは認識しております。

そうした中で、地域に活力をもたらすため、明石市や明石観光協会等と連携して行う「明石城築城400周年記念事業」に向けたホームページやPR動画等の作成や県民提案事業の募集など、知名度向上や明石城を核とした地域振興の取り組みが行われていますが、明石城築城400年という大きな節目を捉えて、抜本的な見直しが必要ではないかと考えております。

そこで、明石公園の魅力向上に向けたあり方について、従来どおり、明石公園が今後、史跡と多様な施設とが共存する都市公園としてどのようにあるべきかだけではなく、明石市立図書館の旧本館跡地の利活用や、例えば、老朽化が進み今後大規模改修が必要なスポーツ施設などは別の場所に移し、史跡を活用した公園の魅力向上に特化するなど、これまでにない視点も含めて、より踏み込んだ検討が必要ではないかと考えますが、ご所見をお伺いします。

5 新西宮ヨットハーバーの災害対策について

近年、異常気象等の影響による自然災害が頻繁に発生しており、特に、今年9月の台風21号では、兵庫県においても、高潮の影響により南芦屋浜地区の護岸近くの住宅が浸水したり、西宮浜では高潮でボートが道路に打ち上げられるなどの被害が発生しました。

新西宮ヨットハーバーにおいても被害が発生しており、ヨットハーバーの被災が直接の原因ではありませんが、9月15日に24年ぶりに新西宮ヨットハーバーで開催予定であった西宮市の花火大会が11月に延期されるなどの影響が出ています。

そこで、新西宮ヨットハーバーについて、これまで高潮の影響なども含めた災害への対策をどのように進められてきたのか、また、今回の台風21号による被災の影響は周辺施設と比べて大きくなかったと聞いておりますが、その復旧状況についてもあわせてお伺いします。

●教育委員会

1 多様な運動部活動を推進するための取組について
2 タレント発掘・育成事業について
3 高校生が考える県政150周年記念事業の成果の活用促進について

全文

質問日:平成30年10月18日
質問者:石井 秀武 議員

1.多様な運動部活動を推進するための取組について

学校における運動部活動は、スポーツに興味・関心のある同好の生徒が参加する学校教育の一環で行われるものであるが、それが我が国のスポーツ振興を大きく支えてきたことは国も県も認めるところだと思う。

高校の運動部活動の状況を俯瞰できるデータに、全国高等学校体育連盟や日本高等学校野球連盟が加盟・登録状況を取りまとめたものがある。これを見ると、部員の多い競技とそうでない競技の差がはっきりわかる。平成29年度時点の全国の数値を見ると、野球部やサッカー部の部員数は共に16万人を超えており、他にバスケットボール部やバレーボール部、テニス部なども10万人を超えている。

その反面、国技である相撲は157校で935人、オリンピック競技種目である自転車競技は251校、2,017人など、部員の少ないものもあり、その差は歴然としている。特に、オリンピックなどの国際大会の競技種目であるスポーツに係る運動部が今以上に減少していくようであれば、全体の競技力は下がり、国際大会での活躍も見られなくなっていくのではないか、と懸念される。

私は、既にその傾向は現れているのではないか、と考えている。たとえば、学科再編等の影響で教員が減ったため、学校長の判断で部活動の顧問がつけられなくなり、新たな部員の募集を停止したという例を聞いたことがある。

もちろん、時代の要請や少子化の影響で学科再編等も必要となる場合があることは承知しているのだが、それが運動部の存廃に直接影響してしまうのはいかがなものかと考えている。限られた競技の部活動しかないよりも、多様な競技の部活動が揃っていることが、本県のスポーツの裾野を広げることにつながり、そしてそれが本県のスポーツ振興に寄与すると考えるからである。

そこで、県内で、多様な運動部活動が推進されるよう取り組んでいく必要があると考えるが、これまでどう取り組んできたのか伺うとともに、今後どう取り組んでいこうとしているのか伺う。

2.タレント発掘・育成事業について

次に、競技スポーツの推進に向けて、特に、タレント発掘・育成事業について伺う。

本県の競技スポーツのレベルをさらに上げていくためには、やはりトップアスリートが誕生して国際大会で活躍する、メダルをとって表彰台に上がる、その姿を見た県民の中からトップアスリートを目指す者が現れる、ということの繰り返しが多ければおおいほど、全体としてのレベルアップに効果的なのだと思う。たとえ、競技人口の少ない競技であっても、オリンピックの表彰台に立つ姿というのは、やはり感動を呼ぶものである。それが本県出身の選手だとすると、県内での盛り上がりはより一層大きなものになるだろう。

たとえば、今年スポーツ振興議連で調査を行った東京都のトップアスリート発掘・育成事業は、中学2年生を対象に2年がかりのカリキュラムを組み、高校進学後を見据えた育成を行っている。やはり本格的な発掘・育成に取り組むには、単にメニューを揃えたというだけでは足りず、ある程度の能力を持った子どもの適性をよく見極め、もっときめ細かな取組を進めていくことが肝要だと考える。

本県からも、ぜひ、国際舞台で活躍するトップアスリートを発掘し、その育成に力を入れていただきたいと考えており、タレント発掘・育成事業には期待しているところであるが、これまでの取組状況と、今後の取組について伺う。

3.高校生が考える県政150周年記念事業の成果の活用促進について

今年は県政150周年ということで、県内各地で様々な取組が行われている。

たとえば、先日の企画県民部の部局審査で県民の歌について質問したが、その答弁の中で、県立長田高校音楽部が県政150周年記念歌「カケル-dedicated to Hyogo-」を作詞・作曲及び合唱・伴奏し、ラジオ出演を果たしたほか、150周年記念式典のBGMとして活用されたと紹介された。同校は、ほかにも、この8月に長野県で開催された第42回全国高等学校総合文化祭に出場し、やはりこの記念歌を歌っているし、先月には、県立こどもの館とコラボして神戸そごう前でも披露している。

これは、県教育委員会の「高校生が考える県政150周年記念事業」として取り組まれた成果の一つであるが、他の県立高校等でもいろいろな取組が行われ、成果を挙げていると思う。この150周年という節目の年に、次代の兵庫県を担う高校生たちが来し方行く末に思いをはせ芽生えた、ふるさと意識を喚起する取組の成果を、今回だけのこととせず、その思いを将来につないでいってほしいと考えている。

そこで、そのためには県教育委員会としての強力なバックアップが必要と考えているのだが、所見を伺う。

●企業庁

1 権現ダムの管理について
2 青野運動公苑の魅力向上について

全文

日 時:平成30年10月19日(金)
質問者:石井 秀武 委員

1 権現ダムの管理について

権現ダムは、加古川工業用水道事業の貯留施設として建設され昭和57年度より供用しています。

また、その自然環境を活かして、ダム湖の周辺部は「加古川右岸自転車道」の一部となっており、サイクリングロードとしても整備されていることから、私も利用することがあり、週末には家族連れが自然を楽しんでいる姿も見かけます。

一方で、これまでもダム湖では立ち入りは禁止であるものの、週末などに勝手に入り込み、ボートを使って釣りをする人が見られます。

工業用水道は直接飲み水として使用されるものではありませんが、一定の水質を維持する必要があります。また、事故を防止することも重要です。そのため、私はこれまでも監査や委員会等において、水質面の不安、利用者の安全等が考えられることから、勝手に立ち入りができないように、柵等の設置の必要性を指摘してきました。

企業庁においても、私の指摘も踏まえていただき、勝手にダムに入らないように柵を設置するなどの対策を行ってこられたことは評価している所ですが、そのダム湖の周囲も非常に長く、立ち入りを全て防ぐことは非常に難しいのが実情です。そのため、残念なことに、本年8月に権現ダムで死体遺棄事件が発生し、新聞やテレビで大きく報道されました。

そこで、工業用水道として利用されている権現ダムの安全管理について、これまでどのように取り組まれてきたのか、また、これからどのような対策をされようと考えているのか、お伺いします。

2 青野運動公苑の魅力向上について

青野運動公苑は、平成27年12月に企業庁が運営を引き継ぎ、芝生の専門会社であるニホンターフメンテナンス株式会社を運営事業者として、そのノウハウなどを生かして、カートの乗り入れが可能な上質なゴルフコースの提供や、関西唯一となる天然芝テニスコートの整備など魅力ある施設整備に取り組み、再生を図ってこられました。

私もゴルフ場を利用することがあるのですが、以前、利用した際に、一緒にラウンドした方からコース上のトイレが男女共用で、しかも状態が悪いとの話を聞き、改修の要望を行ったところ、後日対応いただくなど、細かい要望にも配慮いただき、利用者増に向けて積極的に取り組んでおられると評価しております。

このように、施設面での充実はかなり図られてきましたが、今後、更なる利用者を増やしていくには、顧客満足度の向上に引き続き取り組むとともに、SNS等のいわゆる口コミ効果の活用、また、スポーツ施設と宿泊施設をセットにした魅力的なプランの提案などによりリピーターを増やしていく必要があると考えております。

そこで、これまでの青野運動公苑の魅力向上に向けた取組の成果を伺うとともに、今後の展開についてどのように検討されているのか、あわせてお伺いします。

石井 秀武
神戸市西区