議会の動き

竹内 英明議員が質疑を実施

令和元年度 2月補正予算案に対する質問

質疑日:令和2年3月23日(月)

質問者:竹内 英明 議員

質問方式:一括方式

1 新型コロナウイルス感染症対策について

(1)県内の対応状況とマスク等購入助成制度について

3連休の間、新型コロナウイルス対策の話として、19日の夕方に発表された「兵庫一大阪間の往来自粛要請」がメディア等で大きく取り上げられた。

これは、国の厚生労働省医政局の室長が18日に兵庫県や大阪府に来て、今後増える可能性のある重症患者の病床数が足りているのかという話のほかに、厚生労働省コロナ対策クラスター班の専門家(北海道大学西浦教授等)の提案内容が示され、その対策として「兵庫一大阪間の往来自粛要請」を行うことやその提案内容を大阪府がメディアの前で公表したもの。

提案内容は、本来非公開であったようだが、20日の大阪府新型コロナウイルス対策本部会議の資料としてネット上でも公表された。

私も全部見たが「大阪府・兵庫県における緊急対策の提案(案)」として示されているもので、現状分析として「大阪府、兵庫県の全域において、 感染源不明(リンクなし)症例が感染世代(5 日程度)毎に増加。1 人が生み出す 2 次感染者数の平均値が兵庫県で1を超えている。見えないクラスター連鎖が増加しつつあり、感染の急激な増加が既に始まっていると考えられる。」として、患者数の具体的な増加数が記され、「感染者報告数がこれから急速に増加し、来週には重症者への医療提供が難しくなる可能性あり。」と記載されている。

国の専門家が公式見解として国民向けに発表したものではなく、自治体に提案として持ってこられたもの。国が個別の自治体に指導・助言するなら公明正大にしてもらわないと公表するつもりがなかったものを急にどこかから出るというのは大いに混乱をきたす。

私が18日にテレビ報道で大阪府知事の会見の模様を見たときは、兵庫県に対する批判に感じた。先日、兵庫県の流行ピーク時の入院患者数は厚生労働省が公表した推計式によると、9,820 人、うち重症床患者数は330 人とされ、新聞報道もされている。こうした最悪の想定は既に出ているのだが、今回のような個別の出し方をされると恐い。

兵庫県としてはこの提案をどう捉えたのか、大阪府との関係等については井戸知事の記者会見の内容をみたのでそれ以上は言わないが、こんな話がこれからも再びあるとなると、地域間で疑心暗鬼のような状態になりかねない。

関西広域連合を一緒に構成し、先日も医療物資などを相互に融通しあうとした自治体なのにと思ってしまう。いずれにしろ結果が全てなので後に検証されることだが、我々議会にも経緯等を教えてほしい。

また、今回の補正予算では、社会福祉施設等におけるマスク・消毒液等の購入を支援するとのことであるが、そもそもマスク等は入手が困難な状況の中、どのように実行性のある取組としていくのかあわせて伺う。

2 中小企業融資の融資枠と預託金額の増額、保証要件の緩和について

県では金融機関に制度融資の一部を預託し、取扱金融機関が県の定める融資条件で中小企業者に融資する制度、いわゆる制度融資を設けている。今年度は3,600億円の融資枠を設けるために、信用保証協会に預託する金額を当初予算で2,531億円見込んでいたが、今月4日に議決した補正予算では1,076億円減額して1,455億円。当初比42.5%減となった。

年度末までの期間が短いため、0.1%利率を下げる措置を講じても、現在の預託金方式で年度末まで十分対応できるということは承知しているが、逆に預託金を増やし、現行の利率を更に低下させるということを検討するなど対応がとれないかということである。

融資枠についても先程議決した2020年度予算では今年度当初と同額の3,600億円の融資枠、預託金額は2,400億円を見込んでいるが、これで足りるのかということである。

県には県債管理基金の約5,000億円をはじめ、全体では約5,500億円の基金と企業庁の約500億円の資金があるが、貸付金や有価証券なども含むため、現金として運用できるのはこのうち一般会計等での繰替運用分を除いて、約2,000億円ある。

2000億円の預託しか出来ないというのではなく、県債管理基金の有価証券のうち国債などの債券を現金化することで約1,000億円の追加預託が可能だ。

これによって預託金を増額し、利率を下げたり、融資枠を拡大するなどを検討すればいい。こうした方法を用いた融資枠や預託金額の増額は検討されていないのか、急激な落ち込みに見舞われる観光業・旅行業・飲食店等の対策として更なる資金繰り支援が必要ではないか。また県として主体的に保証要件の緩和を働きかけるなど必要な措置を講じる必要があると思うがどうか。