議会の動き

宮本博美議員が質問(決算審査・産業労働部)を実施

第306回9月定例会 決算特別委員会質問 (産業労働部)
2010年10月13日(水)

1 勤労者福祉の現状と課題について

 これまで、勤労者をはじめ、広く県民に憩いと休養の場や、文化、スポーツ、レクレーション活動の場を提供し、健康でこころ豊かな勤労者生活の増進を図るため、県としてCSR事業を展開しております。
 昭和49年から法人県民税の超過課税(1期5年当初は1%、第4期以降は0.8%)を財源として、①CSR施設の整備と運営、②ひょうごCSRクラブの活動支援を中核事業として実施、第5期までは全県的野外CSR施設などの整備を推進し、第6期はスポーツクラブ21、第7期は県民交流広場事業などと「里山ふれあい森づくり」も実施され、第8期(平成21~26年)の現在は、勤労者福祉の向上を目指すという基本を貫きながら少子対策をはじめとする子育て支援を展開しております。
 また、平成21年度には「勤労者総合福祉施設整備基金」と「勤労者総合福祉施設運営基金」が統合され勤労者福祉基金になっております。
 この法人県民税超過課税の21年度末までの徴収金額は約1,199億円、事業で支出した金額は約1,109億円で、現在の勤労者福祉基金の残額は、約408億円となっております。

(1) CSR施設の利用状況について

 全県施設としての中央労働センターほか7施設、又地域拠点施設としての尼崎青少年創造劇場ほか5施設、自然活用型野外施設のやしろの森公園ほか5施設が県立施設として運営されています。一部には産業労働部以外の所管部局の施設もありますが、この3年間のCSR施設の利用動向をどのように認識されているのかお伺いします。

(2) CSR事業で建設された施設の移譲について

 CSR事業として建設され、市町へ移譲された施設が現在までに8施設あります。北神戸田園スポーツ公園については、県は全く管理せずに、建設だけして直ぐに神戸市へ移譲されましたが、当該施設を除く7施設については、平成15~22年度に移譲されております。
 そこで、これらの施設の市町への移譲にあたって、維持管理費又は改修等に対する費用の負担について、どのような条件で移譲をおこなったのか、また、今後のCSR施設の移譲にあたってどのような条件で移譲を進めるのか考え方についてお伺いします。

(3) 施設移譲後のフォローについて

 市町に移譲した後に、市町の財政状況が厳しいことから、その施設の維持管理、さらには活動そのものも縮減される恐れがあります。さらに、施設を建設する時のコンセプト等を市町が十分理解しないと、施設の縮小、さらには廃止となる恐れもあります。
 市町に施設を移譲したとは言え、勤労者をはじめ、広く県民に憩いと休養の場や、文化、スポーツ、レクレーション活動の場を提供し、健康でこころ豊かな勤労者生活の増進を図るため建設した経緯を踏まえ、県として一定の役割があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

(4) 宿泊施設の運営について

 今でこそ、六甲保養荘を含めて6施設でありますが、ピーク時には9施設の宿泊施設がありました。これらの施設は、多くの県民の方が利用され、今でも年間約24万人が活用されており、地域の大事な財産となっております。
 運営については、阪神・淡路大震災の影響もあって平成12年度末には累積損失が2億円を超えるなど極めて厳しい状態でありましたが、勤労福祉協会が第1次、第2次の経営改善計画を推進し、現在、全体の損益ベースでは、利益を確保して来ていると聞いております。
 そこで、これまでの経営改善計画の実施状況と平成21年度の収支はどのようになっているのか、又、今後の見通しについてお伺いします。

2 新卒者など若者の就職支援について

(1) 就職の状況について

 卒業時に正社員にならなければ、その後、正社員になる可能性が低くなり、不安定な非正規雇用の就労を余儀なくされ、安定した収入を確保することが困難になることから、新卒者の就職支援が必要であります。
 しかしながら、深刻な就職難で内定を得られずに卒業する大学生が増えております。文部科学省が8月に公表した学校基本調査によると、今春の大学卒業者のうち就職した割合は60.8%で、前年度より7.5ポイント低く過去最大の下げ幅となっております。また、進学も就職もしていない人は約1万9千人増え、約8万7千人にも上っており、まさに就職の氷河期であります。
 また、兵庫県内の8月の求人倍率は0.52倍で、近畿6府県で最も低く、24歳以下の無就職者が前年同期より100人以上増えるなど、厳しい雇用状況が続いております。
 そこで、県下の若者の就職状況及び来春新卒者の就職活動状況について、どのように認識しているのかお伺いします。

(2) 県の支援策について

 このように新卒者など若者の就職が厳しい状況の中、高校、大学新卒者に対する就職支援を強化するため、政府では、寺田学首相補佐官をリーダーとする「新卒者雇用・特命チーム」を設置し、不況の長期化で新卒者の就職率が著しく悪化する中、当面の雇用対策だけでなく、「すべての新卒者が雇用される社会」に向けた中長期的な政策プランを取りまとめることとしております。
 また、9月10日に発表した緊急経済対策において、卒業後3年以内の既卒者も対象とする採用企業に対する奨励金支給や新卒者への相談支援の強化などを盛り込んだ新卒者雇用に対する緊急対策を講じております。
 そこで、兵庫県として、新卒者など若者の就職支援についてどのように取り組むのか方針を伺います。