決算特別委員会 [ 10月8日(火)財政状況・石井(秀)委員 ]
1 税収確保対策について
(1)目標設定について
はじめに、税収確保対策の目標設定についてお伺いします。厳しい財政状況や地方分権の高まりの中で、自主財源の中心を担う県税収入に対する期待は、これまで以上高まってきているのではないかと感じています。
これまでより、税務当局では、徴収歩合が全国平均を上回ることを目標として税収確保対策の充実・強化を図っており、平成24年度決算における徴収歩合は96.6%と、全国平均である96.5%を0.1ポイント上回り、2年連続で全国平均を上回ったとしています。
目標値を全国平均に据えたのは、平成20年の新行革プラン策定時からであります。当時は全国平均97.2%に対して本県が96.0%で、1.2%乖離しており、かい離している1.2%を徴収対策でなんとか頑張って行きますということについて、一定の合理性があったと思います。
しかしながら、その後は、全国平均が22年度の96.0%まで下がり、23年度以降若干の回復し、昨年度は、先ほども紹介しましたように96.5%となっています。詳細はこの場では、申し上げませんが、全国平均とのかい離は21年度以降ほとんど発生しておらず、全国平均を上回るという目標設定はこれまでの徴収対策で既にクリアされているように思います。
簡単に0.1%のかい離といっても、本県の県税収入約5700億円の0.1%は5億7000万円であり、これらの滞納税額を回収するには、かなりのエネルギーが必要であることは、私なりに理解しているつもりであります。
そこで、以上の点を踏まえ、全国平均を上回る徴収歩合という目標設定について、先般示された「第2次行革プラン3年目の総点検における課題と検討方向」では、「基本目標としつつ」とされていましたが、徴収対策をさらに進めて行くという気概を対外的に示していく観点からも、目標設定を根本から見直す時期に来ているのではないかと考えますが、ご所見をお伺いします。
また、行革による定員削減が続く中、徴収担当職員の体制の状況についても併せてお願いします。
(答弁 ①)
(2)法人事業税の外形標準課税の対象法人への課税調査について
次に、課税調査の強化について、お伺いします。税収確保対策では、ややもすれば、徴収対策が中心になりがちですが、地道な調査による課税捕捉もしっかりやっていく必要があります。また、課税調査の取組状況については、決算関係書類からはその状況を窺うことが出来ませんので、この機会にお伺いしたいと思います。
課税捕捉については、従前より不申告法人や新規設立法人に対する調査や不正軽油の脱税調査、自動車税の減免車両に対する調査を行っていますが、資本金1億円超の法人を対象とする法人事業税の外形標準課税の対象法人に対する調査を強化していく必要があるのではないかと感じています。
所得割については、原則国税準拠でありますが、付加価値割・資本割については国税準拠ではないことから、県内に本店を置く外形標準課税対象法人については、県税当局において、申告内容を確認し、課税標準額・税額が調査したところと異なるときは、これを更正することとなっています。
従いまして、調査の結果、更正税額が増加する場合だけではなく、減少する場合も当然発生するものですが、課税捕捉だけでなく適正な申告を促す意味でも積極的に行っていくべきものと考えています。
そこで、外形標準課税の調査対象となる法人数及び県税事務所における調査体制並びに調査の状況についてお伺いします。
また、調査の状況について、県税当局としてどのように評価しているのかについても併せてご所見をお伺いします。
(答弁 ②)
(3)納税環境の整備について
次に、納税環境の整備についてお伺いします。
税収確保を進める上では、滞納対策と併行して、滞納にならないよう納税環境を整備し、進めていくことも重要であります。
現在、税の新システムの開発を進められているところですが、この機会に合わせてコンビニ収納の対象税目をこれまでの自動車税に加えて、個人事業税や不動産取得税も新たに対象とするとのことで、税を納めやすい環境づくりを着実に取組んでおられることと思います。
一方で、クレジット収納については、過去の議事録を拝見すると、手数料が1%程度となり、1件あたり400円程度とコンビニ収納の58円と比べて高額になるデメリットがあることから、新システム開発に併せて、他府県の実施状況やコスト面も含め導入可否を検討していきたいとのことでした
そこで、昨年度の自動車税のコンビニ収納の状況について、クレジット収納への検討状況と併せてお伺いします。
(答弁 ③)
2 未収金対策について
(1)収入未済額の状況について
税の話はこのあたりにして、次に税以外の未収金対策についてお伺いします。
本県を含め、地方団体は地方税と地方交付税等をあわせた地方一般財源総額が平成22年度の水準に抑制されている中、増嵩する社会保障関係費への対応で県財政が圧迫される、厳しい財政環境が続いています。
新行革プラン策定以降、人件費の削減や事務事業や投資事業の見直しを中心に徹底的な行革の取組みにより、歳出削減については、それなりの成果があがっているように感じていますが、その一方で歳入の確保、その中でも未収金対策については、まだまだ取組む余地が残っているのではないかと感じています。
今年度に入って、「債権管理推進本部」の設置が発表された際には、未収金の額は100億円を超え、県の財政を圧迫しており、平成20年度以降増加傾向にあるとのことでした。
平成20年度といえば、新行革プランが策定された年でもあります。定員削減や給与削減により人件費は削減されましたが、債権回収に手が回らず、未収金が増えてしまったということになれば、元も子もありません。
そこで、はじめに、昨年度決算における、県税以外の収入未済額の状況並びに収入未済額の状況について(が増加している要因)をどのように分析しているのかご所見をお伺いします。
(答弁 ④)
(2)今後の債権管理について
① 債権管理推進本部の今後の進め方について
最後に、今後の債権管理について、簡単に2点お伺いします。
債権管理には、滞納となった債権の回収と滞納となる債権を減らす取り組みに区分されます。一旦滞納となり、ある程度期間が経過してしまうと、債権回収がなかなか難しくなってしまうことから、滞納となった債権に対しては、債務者に滞納の意識がある間に催告し、早期に回収していくことが肝要であると考えます。
一方で、滞納となった債権の回収に対しては、先にも触れましたように債権管理推進本部を設置して、収入未済額の縮減に向けて債権所管課の取組みを進行管理していくこととしています。
具体には、平成23年度末で1千万円以上の収入未済額を有する債権等を「特定債権」に指定し、25年度からの3年間の未済額縮減に向けた「債権管理目標」を所管課自ら策定し、取組みを実施するものであります。
そこで、債権管理推進本部の役割並びに今後の進め方についてお伺いします。
また、債権管理目標の設定の状況についても併せてお伺いします。
(答弁 ⑤)
② 債権管理支援チームによる支援について
最後に、債権管理支援チームによる支援について、簡単にお伺いします。
債権管理支援チームについては債権回収のノウハウを有する税務課や文書課の持つノウハウなども含め支援していく趣旨だと理解しています。支援の中心となる税務職員については、長期間に亘って県税に携わっている職員も多く、債権回収のノウハウを組織的に蓄積していける環境にありますが、冒頭の質問でもお聞きしましたが、県税担当職員も行革で大幅に削減されている状況を踏まえると、現実問題として各債権所管課に対して支援していく余裕があるのか、疑問があります。
また、各債権所管課にあっても、数年単位で職員が異動により担当職員も交代していくことを踏まえれば、ノウハウの蓄積は一朝一夕には進まないのが現状ではないかと感じています。
そこで、職員も大幅に削減されている状況の中、債権管理支援チームによる各債権所管課とのノウハウの共有についてどのように進めていこうとしているのかお伺いします。
(答弁 ⑥)