決算特別委員会 [ 10月15日(水)県土整備部・栗山 雅史委員 ]
1 大きな不用額について
決算審査ということで、県土整備部所管の中で特に不用額が大きく、目立ってしまっている項目について、どういった理由で不用となったのか、その理由をお尋ねします。
款・土木費の、項・港湾空港費、目・港湾建設費が、予算現額84億1,961万円の約20%、17億443万円を不用としています。節まで見ると、委託料の不用額が50%を超えていますが、どのような場所の、どんな事業が執行されなかったのかなど、その詳細な理由を教えてください。また、事業執行されなかった影響についてもご答弁願います。
2 景観支障建築物等除却費助成事業について
この質問は、私が一般質問や平成25年度予算特別委員会で取り上げたもので、良好な景観形成を推進するために景観の支障となっている、又はその恐れのある管理不全状態にある建築物等を、自ら除却する場合に除去経費の一部を助成するという新規事業でありました。決算審査ですので、その事業結果について確認をしようと思い、質問をすることにしました。
当時のご答弁では、「事業の進め方については、改正条例による指導・助言等を的確に実施することに併せて、助成に際しては、県民の景観形成を支援している公益財団法人兵庫県まちづくり技術センターに申請窓口を置くとともに、ホームページや市町広報誌への掲載等により十分な周知を図ることで、景観支障建築物の所有者等の自主的な景観改善の対応を促していく」とありました。この事業は件数としては4件、予算としては600万円を計上されていました。
そこで質問します。まず、この景観支障建築物等除却費助成事業の実施結果はどのようなものになったのか。また、この取組みにおける市町との連携はどのようになされてきたのか、質問します。
3 西宮北有料道路の早期無料化への取組みについて
本件は、平成23年9月定例会の私の県会議員としての初めての一般質問で取り上げたもので、計画値を上回る収支状況であることを受けて、当初計画の平成32年度末から平成29年度末へ、通行無料化の3年前倒しを知事に決断していただいた案件であります。その後、平成25年の予算特別委員会でもその後の取組み方や計画について質問をさせていただきました。
予算特別委員会での当時のご答弁では、平成29年度末の無料化に向け、3点に取り組んでいるということでした。1点目は、休日夕方の船坂交差点の渋滞対策、2点目は老朽施設の修繕・更新、3点目は道路公社の現地管理事務所を廃止した後の新たな管理体制の整備。通行無料化までにはまだ3年半あり、1点目の船坂交差点の渋滞緩和に資する新名神高速道路の整備は平成28年度末供用に向け順調に進んでいるようでありますが、後の2点について、毎年着実に通行無料化に向けての取組みがなされているか、というところが気になります。
そこで質問します。平成25年度の取組みはどのようなものがあったのか、そして今年度を含む今後の計画についてはどう考えておられるのか、お聞きします。
4 緊急輸送道路沿道建築物耐震化助成事業について
南海トラフ巨大地震等の大地震が切迫する状況の中、大規模災害時における緊急物資の輸送や住民の円滑な避難を確保することは減災の観点から有効であるとして、県は緊急輸送道路沿道建築物耐震化助成事業を実施されています。この事業は平成23年度からスタートされています。災害時における緊急物資の輸送、避難路の確保の観点から、緊急輸送道路を閉塞する恐れのある建築物の耐震診断、耐震補強設計又は耐震改修工事等に要する経費の一部を補助するこの事業は、大変意義深い事業だと評価しています。
しかし、この事業で掲げられた目標は、平成27年度までの5年間に、建築物33棟というものですが、残念ながら平成25年度までの3年間の累計でたったの4棟という実績であり、今年度の見込みもお聞きしましたが、5棟増えて合計9棟となる予定とのことでした。目標には到底届かない状況であります。
基本的には建築物の所有者の決断と覚悟が必要であり、当該地域の市町が窓口となって推進していくものだと聞いておりますが、この推進状況については少し心配をしております。
この事業は平成27年度までということになっております。せっかくの制度でありますから、緊急輸送道路に指定されている路線の中で、耐震に不安があるのではないかと思われる建築物について、ピンポイントに、積極的に耐震診断や補強、改修工事を勧めるなどの働きかけをもっと積極的にやるべきではないかと思いますが、この状況をどのように認識され、今後どのようにされるおつもりか、質問します。
5 建設業新分野進出支援事業について
この事業は、建設業者の他分野進出による建設産業の活力再生、建設業従事者の就業機会の確保を目的として、平成22年度から始められた事業であります。正直な感想を言うと、こういう事業があったのかと驚きました。現在では、建設人材の不足で入札不調になるなど、建設業界は大変活発でありますから、当時この事業を検討されたであろう平成21年度頃の景気はまだ冷え込んでいたんだなあと思い知りました。また、民主党政権時代の、公共事業等の政策転換も影響したのかなあと振り返っておりました。
さて、この建設業新分野進出支援事業ですが、建設業の活力の再生を目指し、農業や林業、漁業、医療・福祉、環境分野に進出する中小企業に、補助対象経費の2分の1以内、限度額50万円を補助されるとなっていますが、平成22年度からの補助実績の推移を見てみますと、平成22年度で10者、平成23年度で8者、平成24年度で10者、平成25年度では2者となっています。平成26年度、本年度ではなんと現在の時点で0ということであります。世相を反映しているということなんでしょうが、補助申請が無い以上、今後のこの事業の存続については、廃止を含めて検討せねばならないのではないかと感じております。
それでは質問します。平成25年度の2者という補助実績を含む、これまでの取組みについてどう評価しておられるか。今後についてはどうお考えなのか、お聞きします。