議会の動き

(全文)最終2カ年行財政構造改革推進方策企画部会案に対する申入れ

平成28年12月1日

兵庫県知事 井戸 敏三 様

兵庫県議会ひょうご県民連合議員団

幹事長 上 野  英 一

政務調査会長 越 田  謙治郎

最終2カ年行財政構造改革推進方策企画部会案に対する申入れについて

本県では、平成20年から10年近くの間、行財政構造改革の取り組みを行ってきた。そして、これまでの多くの痛みを伴う努力の結果、収支不足額は年々縮小してきてはいる。しかしながら、ここに来て、景気の先行きの不透明感とともに、税収不足の見込みが出てくるなど、収支均衡達成に向けた懸念材料が見えてきている。そこでこれからは、これまでの取り組みの検証を行い、その結果を十分踏まえた上で、さらに真の構造改革の実現を目指していかなくてはならない。

つまり、今後必要なのは、平成30年度の財政収支均衡という短期的な目標を達成することだけではなく、平成31年度以降も見据えながら、持続可能な行政体質を構築することである。そもそも、行財政構造改革を単なる収支均衡のための量的な削減だけで終わらせては意味がない。そこで、ひょうご県民連合では、「税金の使い道を変える」という視点に立って「質的な改革」に重点を置いた取り組みを求めていきたいと考える。

各項目の改革内容については、行財政構造改革調査特別委員会の場で我が会派の意見を表明していくことになるが、最終2カ年行財政構造改革推進方策のとりまとめにあたり、以下のことについて特段の配慮を求めるものである。

1 組 織

(県民局・県民センター)

阪神南県民センター、阪神北県民局については、統合を前提に具体的な検討を行うこと。

また丹波県民局については、引き続き(公財)兵庫丹波の森協会とのより一体化した運営の実施など、業務の効率化・住民サービスの向上につなげるための検討を行うこと。

2 事務事業

(老人医療費助成事業の廃止と高齢期移行助成事業(仮称)の創設)

厳しい財政状況の中、県単独補助で実施されている当該事業の見直しには賛成する。ただし、新規の高齢期移行助成事業(仮称)については、行財政構造改革の議論にはなじまないことから、来年度予算の議論の中で、他の事業との優先順位を見極めながら、実施の是非を検討すること。

(但馬空港の管理・運営)

北近畿豊岡自動車道や山陰近畿自動車道の整備により、神戸-豊岡間の150分圏化が射程に入る中、空港を存続させていくためには、路線開拓や地元の協力などの面で、より一層の努力を行うこと。

3 投資事業

(実施の考え方)

投資事業の推進にあたっては、「レガシー」を過度に意識することなく、将来発生する維持管理費等について十分に考慮の上、必要な事業を厳選して実施すること。

4 公的施設

(指定管理者制度の推進)

指定管理者制度が十分に機能するよう、公募期間を十分に設けるなど、多くの事業主体が募集を検討・決定できる仕組みを構築すること。

5 教 育

(教育事務所)

管内市町教育委員会との重複事務を洗い出した上で、今後の組織のあり方を検討すること。

6 公社等

(新西宮ヨットハーバー(株))

民間企業が主体となった経営体制への移行など県関与のあり方等の検討については、期限を付して実施すること。