議会の動き

栗山 雅史議員が質問(企画県民部②)を実施

質問日:平成29年10月10日

質問者:栗山 雅史 議員

1 大学・企業との連携協定について

(1)大学との連携協定

兵庫県は企画県民部を中心として、大学や企業との連携協定をこれまでに多数締結されてきております。最近では、産業労働部が主体的に取り組まれた「就職支援協定」がとても印象に残っておりますが、県内大学すべての37大学と、県外では東京都内の中央大学、専修大学と締結されたことは、兵庫県が若者流出対策に本気であるという姿勢を強烈に感じたところです。

さて、この就職支援協定のほかに、大学との連携協定は県内外の神戸大学、関西学院大学など6大学と「地域創生包括連携協定」を締結されており、地域づくり人材の育成や、出産・子育てを視野に入れたライフプランニング教育など、地域創生の実現に直結する施策の展開を図っておられます。

しかしながら、包括連携協定というのは多くの分野を包含するものなので、良い意味で考えればあらゆる分野での取組みが可能なのですが、目的と戦略を持って力を入れたい分野や取組みを決めなければ、連携の効果を十分に発揮できないのではないかと考えています。せっかくの連携協定ですから、連携の効果を最大化できるよう、毎年の重点的な取組みを決めるなど計画を策定し、また年度が終われば見直しをするというように取り組むべきではないかと考えますが、当局はどのようにお考えでしょうか。

決算審議ですので、まずは大学との地域創生包括連携協定の平成28年度の取組みの成果と、合わせて今後の見込みについてもご答弁ください。

(2)企業との連携協定

次に企業との連携協定についてです。県は平成21年の(株)ローソンとの締

結を皮切りに、現在までで計9社の企業と連携協定を締結されておられます。企業ごとに協定内容は少し異なりますが、主に地域の安全・安心に関することや、子育て支援・家庭応援に関すること、健康増進に関すること、観光振興、地域創生に関することなど多くの分野における連携を締結されています。最近では第一生命保険、東京海上日動火災保険、大塚製薬などとの連携協定が記憶に新しいところです。

これら企業との連携についても大学と同様ですが、連携の効果を最大化できるよう、毎年の計画策定や見直しなどを進めるべきと考えますが、当局はどのようにお考えでしょうか。企業との連携協定の平成28年度の取組みの成果と、今後の見込みについてご答弁ください。

2 男性の家事・育児の参加について

女性の社会進出が進む中、男性の家事・育児の参加をさらに促進すべきとして、県は男女家庭課を中心に施策を展開されておられます。昨年度予算は150万円、今年度は246万円余りが計上されておりまして、「父親の子育て応援セミナー」や「お父さん応援フォーラム」などに取り組んでこられました。

しかしながら、これらに参加されるのはごく僅かの人でありまして、世の中の全体的な「男性の家事・育児の参加時間が飛躍的に伸びた」とか、「女性の負担が少なくなった」というような報道等を見ることはまだありません。データ的なもので確認しても、例えば総務省が実施している平成28年の社会生活基本調査では、共働きで子供がいる世帯の1日の家事、育児の時間数ですが、家事では夫が15分、妻が3時間16分となっており、育児では夫が16分、妻が56分となっています。

女性の就業の形態がフルタイムなのかパートタイムなのか判明しませんが、いずれにしても女性に負担が大きくかかっていることがわかります。私は、もし夫と妻が両者ともに総合職というような同じ就業形態であるならば尚のこと、家庭を支える家事・育児は対等に、平等に負担すべきではないかと考えています。また、そのように男性の意識を大きく変化させなければいけないのではないかと考えています。

最近では「働き方改革」が進んできておりますし、ワークライフバランスに取り組む企業も増えています。長時間勤務をやめて、ライフとのバランスを取るその先には、男性の家事・育児参加の増加に繋げていき、女性の働く環境を整えていくことが大事なのではないでしょうか。まさに「家事と育児の男女間バランス」を図らなくてはならないのではないかと考えております。

そこで質問しますが、男性の家事・育児の参加促進について、昨年度はどのような結果を得られたのか。また、今年度はどのような施策を通じて、どのような結果を得たいと考えているかについてお答えください。

加えて、私は知事などのような立場の方から、「男性も仕事を早く切り上げて、家事や育児にもっと積極的に参加するように」など、機会を捉えて発言して欲しいなあと考えておりますが、企画県民部としては男性の家事・育児の理想像についてどのようにお考えか、ご所見をお聞かせいただければと思います。

3 特殊詐欺対策を含む消費者トラブル対策について

多様化・複雑化する消費者問題や総合的・体系的な消費者教育については、県及び生活科学総合センターと6地域センターにおいて、その対策と事業が進められております。

兵庫県内の消費者トラブルの苦情件数は3年連続で4万件を超えており、例を挙げますと、実在会社を語る架空請求やワンクリック請求、健康食品などの通信販売トラブル、点検商法、投資関連トラブルなどがあるようです。その被害者の多くは60歳代以上の高齢者で、インターネット上の知識不足や巧妙に仕掛けられた手口に騙されたり、あるいは弱みに付け込まれたりして被害に遭っているようです。

そして、最近特に心配しているのは被害額の大きい特殊詐欺です。何とか被害を食い止めなければならないと強く思いますが、手口が巧妙化し、また次々に新しい手口で仕掛けてくるため、被害が絶えないのが現状であります。県警とともに高齢者への啓発や見守り、ATMを設置する店舗の協力も得て成果を出しているケースもありますが、さらなる警戒が必要だと感じております。

さて、平成28年度の予算は2億7,484万円で、執行額は2億5,786万円でした。また、今年度の予算は2億7,889万円となっており、前年度とほぼ同額となっています。加えて、9月補正予算で特殊詐欺の未然防止対策として「事前警告機能付通話録音装置の無償貸出」など、国庫からの1,500万円の予算を可決しましたが、消費者被害は未だ高水準にあり、今後も十分な対策と啓蒙が必要であると考えております。

そこで、まずは平成28年度の取組みの成果を、そして今後の対策についてもどのようにお考えか、ご答弁をいただきたいと思います。

4 カムバックひょうごセンターの取組みについて

カムバックひょうごセンターは、東京一極集中の是正とUJIターンを実現するべく、平成28年1月に東京センターを、今年2月には神戸にもセンターを開設されました。取組みとしてはまだ1年9か月ほどですが、両センターへの来所者数はコンスタントにあり、またセミナー参加者数も伸びていると聞いております。移住者は今年9月末現在で18世帯31人となっており、今後も増加していくことを期待しております。

しかしながら、当然ではありますが、やはりハードルとなるのは移住後の仕事や住まい、家族の生活や教育環境などであろうと思います。相談者の状況は様々だと思いますので一様には答えられないかと思いますが、決算審議ですので基本的なことを含めて3点の質問させていただきたいと思います。

最初に、平成28年度の事業展開の結果、相談内容で多かったポイントや、移住のハードルにはどういった事情が多いのか、移住をされた方々の決断のポイントはどういうものが多かったのかについてお答えください。

次に、東京センターの相談者の年齢構成を見ますと、20代が31%、30代が33%と、比較的若い方々の相談者が多いと感じました。未婚か既婚か、子どもがいるのかいないのかはわかりませんが、いずれもまだ動きやすい年代なのかも知れません。そんな中、東京センターでは、県内大学の東京サテライトセンターに寄せられる首都圏在住者のUターン相談について情報共有をされていると聞きました。大変有意義な連携だと感じています。

しかし、サテライトセンターを設置している大学は一部ですので、それに加えて首都圏の大学に通う兵庫県出身の大学生や、多くなっている第二新卒の方々に、兵庫県内の仕事・移住の情報などが届くように工夫して欲しいと思いますが、前段のサテライトセンターとの連携を含めて、若い世代へのアプローチの状況と、今後の展望についてご答弁ください。

最後に、今後のセンター運営についてですが、相談体制や情報発信体制、予算など、今後必要だと感じることや不足していることなどについて、率直にお答えください。