議会の動き

◆17年9月定例会 討論

概要  代表・一般質問  議案に対する態度と考え方  討論

兵庫県行財政運営方針に係る討論(賛成)/栗山議員

ひょうご県民連合議員団を代表して、知事から提出された第112号議案(兵庫県行財政運営方針の策定)に対し、賛成の立場から討論を行います。

 兵庫県は、あの阪神・淡路大震災に見舞われながらも、県民の生活再建を最優先にしながら、スピード感を持って創造的復興を成し遂げてきました。そして、その後の行財政改革に取り組んだ11年間は、多くの県民に痛みを伴う改革ではあったものの、健全な兵庫県財政を回復するべく、あらゆる努力を惜しまずに頑張り続けてきた11年間ではなかったかと思います。その取り組みに、我がひょうご県民連合議員団は、大いに評価したいと考えております。

行革の取組みには、我々議員もともに参加し、協力し、会派の意見を申し上げてきました。そして、県民にも「兵庫の未来のために必要な取組みであること」について理解を求め、時には我慢や辛抱をお願いしてきたのではなかったかと思います。そんな中でも、我々の考え方の根底にあったのは、我々は県民の代表であるという意識のもと、常に県民の目線に立ち、県民の声を最大限に配慮し、将来にわたって兵庫県に住み続けたいと思えるような、未来のある施策を苦しいながらも実現することでした。

3次にわたる行革によって、今年度には財政の収支均衡が達成するとの見通しが立っています。まさに行革の総決算を迎えることになりました。
そして、これからの兵庫県の行財政運営のあり方を考えるため、今年6月に設置された行財政構造改革調査特別委員会においては、我が会派は「持続可能で、無駄のない筋肉質な行財政体質へと転換し、定着させること」を求めました。

それと同時に、先にも述べたように、「多様化する県民のニーズ」にも的確に応え、「豊かさを実感できる新時代の兵庫づくり」を達成できるよう、「スリムで機動力のある行財政体質の構築」を求めてきたところです。

 提案の行財政運営方針は、これからの10年という次のステージに向けた、具体的な財政運営の目標を示すものであり、行財政運営の羅針盤となるものです。その内容は県民の生活に影響するものであり、重要なものであると認識しております。
今回提案の議案に対して、会派内の議論はもとより、これまでの行財政構造改革調査特別委員会での質疑や審査などを含めて、我々は慎重に検討してまいりました。以下、我が会派の考え方に基づき、行財政運営方針に対する意見を申し上げます。

 まず、行財政運営の基本方針についてですが、5つの基本方針「持続可能な行財政構造の保持」、「選択と集中の徹底」、「安全安心の確保」、「すこやか兵庫の実現に向けた施策の推進」、「県民の参画と協働による県政の推進」については、我が会派の考え方と同じ方向性であり、これらに基づいた取組を積極的に進めていただきたいと考えています。

次に財政運営についてですが、ここで再度申し上げておきますが、財政フレームは財政運営の目標を定めるための基盤となるものです。特別委員会の意見開陳や質疑でも指摘しましたが、国が採用する「中長期の経済財政に関する試算」の成長実現ケースの経済成長率を採用していることは合理性があるとの見解を示されましたが、より現実に近い、謙虚な財政見通しを立てる必要はなかったかとの想いを今も持っています。県民に対して、希望的観測ではなく、県財政の実務者としてのリアルな見立てが必要だったのではないでしょうか。

また、行財政運営方針にもあるように、震災関連県債等の償還が今後も続く中、世界経済や日本経済の見通し、国の財政健全化の取組など、兵庫県を取り巻く環境は予断を許さない状況です。今後も県の財政状況を揺るがす環境の変化があるかも知れません。そのような事態を迎えても、毎年度の財政フレームの見直しの際には柔軟に対応しながら、堅実な見立てで、適切な財政運営をお願いしたいと考えております。

 次に、各分野の取組方針についてですが、①「組織」では阪神南県民センターと阪神北県民局の統合や警察の再編の検討、②「職員」では新たな課題等へ対応できる人員配置や管理職手当の見直し、ワーク・ライフ・バランスの活用促進、③行政施策では、AI等の活用等による業務の見直しや防災・減災対策の総合的推進、④公営企業では県内病院の再編、⑤教育施策では入学者選抜制度の改善や教職員の働き方改革、⑥長期保有土地では利活用等の検討、⑦地方分権の確立に向けた取組では県から市町への権限移譲の推進など、我が会派の意見が反映されており、評価しているところです。

 しかしながら、特に公社等では個別の公社の方向性については示されておりませんが、収益性が求められる事業については運営を民間に任せ、県の関与を薄くするべきと考えております。今後もその事業展開についてはしっかりとチェックしていきたいと考えております。
自主財源の確保では、効果の検証や財源の確保はもちろん、その必要性や成果を公表し、納税者が納得できるような説明と広報が必要と考えております。

最後になりますが、先日の提案説明において、知事は「県政150周年の節目を迎え、県政は新たなステージに入ります。新たな枠組みのもと、新時代の兵庫づくりを積極的に推進していきます。」と述べられていました。我がひょうご県民連合議員団も、先人から受け継いだ私たちの故郷「兵庫県」を次世代に自信を持って引き継ぎ、また安心して次世代に引き継いでもらうために、新時代の兵庫づくりに向けて知恵を絞り、あらゆる課題にともに取り組んでいく覚悟であることを表明いたしまして、討論を終わります。