第312回定例会(2月)一般質問
2012年2月28日(火)
1 知事の考える「関西の復権」について(政策)
質問の第1は、『知事の考える「関西の復権」について』であります。
9年前の私の初めての一般質問で関西復権プロジェクトについてお尋ねいたしました。以来今日に至るまで、ことあるごとに関西の復権について発信してまいりましたが、その時以上にその必要性を痛感し、また、以来議会でもたびたび取り上げられるようになりましたので、最初に議会で取り上げた者として、改めて質問いたします。
昨年3月11日に発生した東日本大震災の際、震源地から500キロ以上も離れた東京都内では、交通機関がストップし、多数の帰宅困難者が発生し、大パニックとなりました。首都機能のマヒには至らなかったものの、東京一極集中の脆弱さがクローズアップされた形となり、首都機能のバックアップや副首都の必要性が以前にも増して議論されるきっかけになりました。
首都機能のバックアップについては、6月定例会において、高橋しんご議員、石井健一郎議員のお二方より質問が相次ぎました。また、12月定例会でも、岸口実議員より「国家危機管理国際都市構想(NEMIC構想)と関西復権・兵庫の発展」について、質問されました。
NEMIC構想と関西広域連合の提言の違いは、既に明らかになっているとおり、NEMIC構想が新たに副首都を建設するのに対し、関西広域連合の提言では、「短時間にバックアップ体制の構築が可能となる既存の都市集積の活用を」としています。
一方、知事からは、「首都圏が機能しなくなったときの準備や体制を事前に整えておくことは非常に重要であり、関西の役割、関西の発展にもつながり、関西の復権にも寄与していく」とのご答弁がありました。
しかし、関西広域連合の提言は、既存の各地に点在する諸施設を利用する考え方であり、首都機能のバックアップはできても岸口議員の指摘したとおり関西の復権には直結するものではありません。
NEMIC構想は、テロや大規模地震など国家機能の大規模な麻痺を回避するため、バックアップ機能を持つ副首都の建設並びに人、モノ、資金・情報の流れを関西に受け止めうるような超近代的危機管理国際都市建設プロジェクトを進めていくことにより、関西の復権を図り、東の首都圏、西の関西圏の双眼レフ型の安全・安定・躍進型の日本再構築の礎を作ろうとするものであります。
関西広域連合の提言においても「国土の双眼構造の構築」とのタイトルで、「関東、関西の双方に政治、行政、経済の核が存在する双眼構造への転換をめざした国土政策、産業政策を展開すること。」を提言されています。
しかしながら、前回の岸口議員に対する答弁で言われた、「関西イノベーション国際戦略総合特区」についてみると、首都機能のバックアップと同様、関西に点在する医療、医薬、電池、エネルギーといった強みを持つ産業を寄せ集めた感があり、そのためか他の国際戦略特区とは異なり、先日の我が会派の永富議員の代表質問における答弁で、複数の拠点地区を有機的に連携させていくとのことでしたが、対象となる拠点が複数で、また広すぎて果たしてこの総合特区構想が関西の復権に直結していくのかイメージすることができません。
一方、前回の私へのご答弁で言及されました大阪湾ベイエリア構想などの1000ヘクタールに及ぶ未利用地の活用については改善されましたが、関西復権にという意味では10年近く経った今でも進捗していない状況であります。東京一極集中による関西の相対的な地盤沈下から、「復権」や「再生」を謳われてから、かなりの時間が経過していますが、一向に事態は好転していません。
いずれにいたしましても、本来の目的が関西の復権に重点を置いたものでなく、結果として「関西が復権すればいい」というものであり、中途半端であると言わざるを得ません。
そこで、関西の復権と創造を目指した関西広域連合が設立されて、1年と少しが経過しましたが、NEMIC構想の是非は別として、連合長でもある井戸知事の考える「関西の復権」とはどのようなものなのか、夢のある復権への道筋と併せてご所見をお伺いします。
2 関西広域連合の将来への懸念について(政策)
質問の第2は、「関西広域連合の将来への懸念について」であります。
関西広域連合は、設立のねらいの一つに「分権型社会の実現へ」をあげられ、自己責任を貫ける分権型社会の実現に取り組まれています。そのような中、橋下大阪市長は、就任早々、府と市の二重行政を解消することで、4年後には地方交付税の不交付団体になることを目指す方針を明確に打ち出されました。大阪市はスピードをもって無駄をなくすことで財政再建に取り組み、国から自立した地方を作り、国にものを申せる立場を構築しようとしており、国民の期待は高まっています。橋下市長と二人三脚で歩む松井大阪府知事も大阪府の財政再建にスピード感を持って取り掛かられることと思います。
一方、本県の財政再建は、大阪と比べると少し遅れ、スピード感に欠けるのではないかと危惧しています。
現在の大阪府の財政指標は、将来負担比率266.8%で全国ワースト7位、実質公債費比率は17.6%の全国ワースト7位、経常収支比率はワースト22位であります。本県の財政指標はさらに悪く、将来負担比率は350.2%と全国ワースト1位、実質公債費比率が21.0%で北海道、徳島県に次ぐワースト3位、経常収支比率も東京都、愛知県と同率で全国ワースト1位となっています。
関西広域連合としては順次拡充する事務として、港や国道、河川など一体的な整備への拡大も視野に入れ、国に対して財源や権限のまるごと移管を要求していますが、その受け皿だけではなく、地方自らも歳出を行わずして自立した連合は実現するとは到底思えません。しかしながら、今後は、社会保障関係費や人件費、借金返済などの経費がこれまで以上に嵩むことから、関西広域連合への負担金の支出さえも立ち行かなくなる恐れもあるのではないでしょうか。
関西広域連合は構成自治体からの分担金により運営しており、将来、この大阪府と将来負担比率ワースト1の兵庫県が手を取り合うのであれば、現状の危機的な財政状況のままでは、連合の運営に支障が生じるのではないかと懸念しています。EUが今困難な問題を抱えているのも、統合優先で財政そのものに切り込まなかったことが原因と言われており、私としては関西広域連合も同じ轍を踏まないかと懸念しています。
さらに、政令市4市が加わると、今でさえ呉越同舟と揶揄される関西広域連合の運営もこれまでの府県間の調整に加え、府県と政令市の調整が加わり、先の議員定数でも調整が難航しているように構成自治体間の調整がこれまで以上に困難になることも懸念されます。
当初の想定どおり「成長する広域連合」として着実に取り組み、自立した関西広域連合を運営するには将来的に広域的な支出財源を賄うため、各構成自治体に対して相応の分担金が求められることとなると思いますが、財政状況の異なる構成自治体の中にあって「成長する広域連合」に対して際限なくお付き合いするのではなく、財政的にも一定の歯止めをかけていく必要があると考えます。
そこで、本県としてどのような姿勢で臨まれるのかご所見をお伺いします。
3 行財政構造改革の取組の検証について(企画県民)
質問の第3は「『行財政構造改革の取組の検証』について」です。
私は、平成20年2月の第294回定例会において、「地方債の発行方針」と題して、「本県が全国一発行している仕組み債などのデリバディブを使った地方債については、非常にリスクが高い債権であり、発行条件は一見有利に見えるが、特約条項が付いており、世界の金融市場であっという間に膨大な損失を抱え込むことにもなる」と指摘し、情報開示やリスク管理体制などについて質問いたしました。
それに対し、「予想外の財政負担がないよう行う」と答弁されました。当局と意見交換しているなかで発行当時の円ドルレートは100円台でありましたが、当時は「80円を切る円高にはならないので、まず大丈夫である。」旨の話をお聞きしましたが、ギリシャ危機などに端を発したヨーロッパのユーロ不安により、一時75円台にもなり、今や完全な円高が定着しています。
また、昨年には「青野運動公苑県有地信託事業」での上告棄却を受けて遅延損害金を含め105億4,070万円を、専決処分により企業庁の「地域整備特別会計」から借り入れ、支払ったところであるほか、信託銀行が負担した約3500万円の訴訟費用も支払う必要があります。
今回の「青野運動公苑県有地信託事業」に係る対応、処理には、県民はもちろんのこと当時関わりのなかった知事はじめ県職員の皆様も大変な苦労をすることになったわけであります。
今定例会において、今後の信託事業の処理の方向性や信託銀行の信託事業に対する受託者責任を明らかにし、相当額の返還を求める、民事調停を裁判所に申立てようとする議案が上程されていますが、調停成立に向けて十分な準備のもとに対応していただくようお願いいたしますが、知事の説明にありました「調停の場において、民間から選任された調停委員の持つ市民感覚を生かしながら」というくだりは、情に訴えているようでいささか違和感を感じています。
さて、行革を進めるにあたっては、県も不退転の決意で取り組んでおられるとは思いますが、行革、行革と言いながら、本当に聖域なき状態で事業をチェックしているのか、私に届く県民の声には、厳しいものがあります。
例えば、地元の強い要望でできた但馬空港について、平成24年度においても但馬、羽田直行便の実施に向け、首都圏での観光PRなどによる知名度アップ等に取り組むこととされていますが、一方で北近畿豊岡自動車道も着実に延伸しているなかで、空港自体の必要性について今一度検討する時期が来ているのではないでしょうか。
なお、今回、財政状況の公表に関する条例の一部改正に伴い、県の出資比率が25%以上、50%未満の法人のうち、県行政と密接な関連のある公社等に指定している7法人が、知事がその経営状況を議会へ報告する法人として、新たに対象となります。但馬空港ターミナル株式会社もその1つであり、ようやく県議会においてもその財政状況がつまびらかになります。
知事は平成13年に就任され今年で11年目になりますが、就任時の本県の県債残高は、臨時財政対策債も含め、2兆6,390億円でありました。しかし、在任期間中、その残高は減ることはなく、平成22年度末では3兆7,039億円となっています。
今、世界経済ではソブリンリスクが問題となっていますが、政府等が破綻するかどうかは、借金残高もさることながら、政府に返す意志があるかどうかだと言われています。第2次行革プランにおいては、平成30年までの残高を示しておられますが、見方を変えれば、平成30年になってもまだこれだけ多くの借金を県民は抱え、3,100億円の収支不足額に対して、退職手当債や行革推進債などの手当をしたのち、要調整額と称した920億円もの財源不足額が生じています。
そこで、県民に更なる新たな負担が生じないようにしていくためには、過去のしがらみの中で手つかずの聖域化した施策の検証や地域のしがらみの中で進めようとする施策の検証に取りかかる必要があり、場合によっては立ち止まる勇気も必要であると思いますが、次期3年目の総点検も視野に入れ、今後、行財政構造改革にどのように取り組んでいくのか知事の覚悟と併せてご所見をお伺いします。
4 神戸市との連携による効率的な行財政運営について(政策・企画県民)
質問の第4は、「神戸市との連携による効率的な行財政運営について」であります。
県と指定都市との関係、いわゆる大都市制度のあり方については、二重行政解消を目的として県と市の役割分担や連携方法などを中心に、これまでも、多くの議員により問題点が指摘されており、先の12月定例会でも、公明党の岸本かずなお議員より質問がありました。
その答弁を掻い摘んで述べますと、①行財政能力が充実している政令市や中核市においては、県との二重行政が生じないように今後も留意して役割分担を進めること。②男女共同参画センターや総合相談センターなどでは、事業内容や対象者による役割分担を進めていること。③美術館や博物館については、施設の重複とは事業内容の面で異なること。④水道、大学、病院、文化施設についても同一地域内において二重やダブりが生じているとは考えていないこと。⑤政令市、中核市との県・市幹部連絡会議などの機会を捉え、県と政令市等との機能と役割を整理する、とのご答弁であり、いずれも「二重行政は生じていない」との現状認識でありました。
しかし、答弁において「二重行政ではない」とされた、「男女共同参画センター」や「美術館」「博物館」「文化施設」はいずれも二重行政の代表例として一般的に取上げられる「二重ハコモノ」であり、明らかに我々も含めた一般県民の認識とはズレが生じています。
現在指摘されている都道府県と指定都市の二重行政は、現行の指定都市が都道府県の区域外とされずに、特例として都道府県に近い権限が与えられ指定都市の位置づけがあいまいとなった成立経緯からはごく当然の帰結であり、二重行政を完全に排除するためには、二層制の自治構造を廃止する以外に方法はありません。したがって、仮に「道州制」が実現したからといっても、二重行政が解消されるものではありません。
少なくとも、現在議論されている「大阪都」「中京都」「新潟州」の各構想や京都府と京都市の連携、広島県と広島市の連携、いずれの事例においても二重行政の存在が前提となっており、その解消を目的としています。
神戸市との関係で二重行政が解消されたとしても、現行の都道府県と指定都市の二重行政の例として挙げられている公営住宅、中小企業支援、商店街の活性化などの事務は、県内の他の市町との関係で県に事務が残り、神戸市と兵庫県の双方が実施する事務は依然として残ることには変わりがありません。
権限が類似する神戸市との関係においては、先般の答弁にありましたように「県・市幹部連絡会議」など既存の機会を捉え、権能と役割を整理していくだけでは不十分ではないでしょうか。
他の自治体で既に取り組んでいる公営住宅の窓口一本化や試験研究機関の施設共同利用のほか、体育施設や文化施設の共同運営や国際交流、男女共同参画、企業誘致など、それぞれの役割・独自性を踏まえながらも連携していける業務は多岐にわたります。
経費削減と住民サービス維持・向上の両立を図り、効率的な行財政運営を進めていくことを目的として市域で重なる仕事、類似施設や県市協働により対応できる課題の洗い出しを行っていくなど、二重行政の存在を前提とした連携を積極的に進めていくべきであります。
そこで、県と神戸市の二重行政に対する知事の認識について改めてお伺いするとともに、知事、市長の協議を踏まえた検討機関を設けて、県と神戸市の連携を着実に進めていくことが必要であると考えますが、知事のご所見をお伺いします。
5 新規就農者の育成と定着について(農政環境)
質問の第5は、「新規就農者の育成と定着について」であります。
農業は、食料生産にとどまらず、水・緑・環境、そしてコミュニティの維持にも大きな役割を果たしていますが、本県農業は、今後ともこのような役割を果たしていけるでしょうか。
2010世界農林業センサスによれば、本県の販売農家の農業就業人口は22%、農業所得が主である主業農家の数は9.4%、5年前と比べて、それぞれ減少しています。また、農業就業人口の平均年齢は67.8歳で、全国平均の65.8歳を上回り、超高齢化が進んでいます。
また、これまで農業を支えてきた昭和1ケタ生まれの方全てが2年後には80歳以上となり、農業従事者の減少はさらに拍車が掛かり、農業の担い手、特に新規就農者の確保・育成そしてその定着は喫緊の課題であります。
このため、県では、年間200人の新規就農者確保を目標に各種施策に取り組んでおられますが、新規就農するには、栽培技術や経営ノウハウの習得、農地や資金の確保、販路開拓、農村地域での暮らしなど、解決すべきハードルが数多くあります。
このようなハードルに対して、相談窓口の設置、技術・経営研修の支援、制度融資の斡旋、農地の紹介など、多様な支援を行っていますが、これら支援が本当に就農へと結びついているのでしょうか。
例えば、就農希望者が先進農家で行う実践研修を支援する制度では、受入農家とのマッチングが十分ではなく、就農に向けた研修が十分に行われていない場合があることや農地はあるのに貸してもらえないなど農地探しにも随分苦労をしているとの話を就農希望者からはよく耳にします。
平成19年の農林水産統計によれば、新たに農業を開始した者のうち半数以上が農業経営の開始にあたり苦労した点として「営農技術の習得」「農地の確保」「資金の確保」をあげており、そのうち、「農地の確保」は、自家農業を継承した人は苦労した点に17.7%しかあげていないにも関わらず、新たに農業経営主となった人では56.3%の人が苦労した点に挙げており、統計データからも、その様子があらわれています。
農業に対する価値観や環境も大きく変化し、農業を職業として捉える人も増えてきており、就農希望者をいかに就農へと誘い、定着させていくかが重要であり、新たな施策の検討にあたっては、現行施策を十分検証しながら、きめ細やかに対応する必要があると考えています。
折しも、就農意欲の喚起と就農後の定着を図るために、新年度から最長7年間、年間150万円を交付する青年就農給付金が始まる予定ですが、これまでに類を見ない長期間に亘る手厚い給付金であり、今回のこの制度を生かせなければ、兵庫の農業の担い手不足の問題は解消できないのではないか、すなわち定着に向けた最終手段とさえ思っています。
もちろん、従来のように渡しきりの制度ではなく、就農への取組状況によっては受給者に対して給付金の停止又は返還を求める仕組みとなっていますので、真に就農するものに制度を適用させていく必要があります。
そこで、新規就農者の育成並びに定着に向け、今後も継続的、安定的に取り組んでいく必要がありますが、5年後、10年後の目標をどのように見据え、新規就農者の定着に向けたフォローアップをどのように行っていくのか、当局のご所見をお伺いします。
6 神戸マラソンの開催に向けた取り組みについて(教委)
質問の第6は、次回以降の「神戸マラソンの開催に向けた取り組みについて」であります。
私自身、おそらく第1回神戸マラソンを完走した唯一の県会議員であると思いますので、次回以降の開催にエールを送る意味も込めまして、ランナー目線から感じたことを中心に何点か指摘・提案していきたいと思います。ゴール手前では原吉三先生が、ゴールでは知事がそれぞれ温かく出迎えてくださったことは今でも脳裏に焼き付いており、私にとって感激のマラソンとなりました。
昨年の第1回神戸マラソンでは、強風で前日と当日に行われる予定だった「グルメフェステイバル」や「舞子の折り返し祭り」が中止になったほかは、大きなトラブルや事故もなく、全国から参集した約2万3千人のランナーが復興のまち神戸を駆け抜け、無事終了しました。第1回と言うこともあり、関係者の皆様も手探りの部分も多く、大変ご苦労されたこととは思いますが、無事終了させた全ての関係者の皆様に対して、改めて敬意を表したいと思います。
大阪マラソンと比べるとメディアの関心も低く派手さはありませんでしたが、沿道の約52万人の声援や約6千人のボランティアの方が大会を盛り上げてくださったように感じました。
しかしながら、課題もあります。当選通知ミスによりランナーが増員になり、トイレの増設や給水の対応はされたとは思いますが、当日は、選手が一部のトイレに集中したことにより長蛇の列となったことや、天候が良く気温が高かったことからフィニッシュタイム5~6時間以降の選手に対する給水が間に合わなかったことが挙げられます。後で聞くところによれば、比較的空いているトイレもあったということで、案内表示の改善や混雑を防ぐための対策も必要ではないかと感じました。
また、沿道の応援に対する警備のため数十メートルおきに警備員が配置されていましたが、一般の応援が入れない浜手バイパスにおいては、そんなに警備員は必要ではなかったのではないでしょうか。警備員に要する経費は開催経費全体のなかでもウェイトが高い費用であり、次回以降も大会を継続させていくためには、抑えられる経費は抑えていかなければなりません。
さらに、次回の開催日が、大阪マラソンと重なることから、両市内を中心に宿泊者の集中が見込まれ、宿泊施設の確保といったことが懸念されます。他地域のランナーにとっては神戸という開催地自体の魅力もあるわけで、大阪も含めて観光客を呼べる所でありますことから、相乗効果を見据えて、大阪マラソンと積極的な連携・協力を図っていくべきであります。
できれば、同日開催は今年限りとし、スポーツツーリズムの観点からも、神戸・大阪・京都・奈良の関西圏におけるマラソン大会が順次開催できるよう十分に事前の調整をしていただきたいと思っています。
また、今年の開催時期は、大河ドラマ「平清盛」のクライマックスの時期と重なります。コースの変更がなければ、ドラマ館や歴史館の真横を通過することとなりますので、マラソン大会の開催に合わせた盛り上げの仕掛けづくりも必要となってくるのではないでしょうか。
いずれにしましても、神戸マラソンが回数を重ねていくごとに地元に受け入れられ、地域に定着していくとともに、「お金を払って走る」ランナーたちが、参加しやすい体制にしていくことが肝要であります。また、ランナーのみならず、大会に係わるボランティアの方々や沿道で声援を送る市民の方々など大会に係わるすべての人が大会を盛り上げ、満足していただく必要があります。
今回も緊急雇用の関係の経費も計上され、何とか予算確保していますが、この県市協調事業であるマラソンを定着させていくには、自立した運営を確保していかなければ長続きしないのではないかと懸念するものであります。
そこで、第1回の神戸マラソン大会の運営評価ならびに次回以降の開催に向けた意気込みについて、ご所見をお伺いします。