新型コロナウイルス感染症による多方面での制約が解除されてから半年以上が経ち、社会は本格的なウィズコロナを迎えました。新型コロナウイルス感染症流行下で落ち込んだ地域経済は持ち直しの動きが見られる一方、円安等による原油・物価高騰が長期化しており、県民の暮らしへの影響が深刻化しています。
また、本県の財政状況は、好調な県税収入にも支えられ黒字幅を拡大したものの、今後も社会保障関係費の増加や震災関連県債などの償還に加え、見通しの立たない不安定な国際情勢などの影響による物価高等、引き続き厳しい状況が見込まれています。そのため、限られた財源の中、より徹底した「選択と集中」を図っていくことが必要です。
本県は、依然として東京・大阪圏への転出超過傾向が続いていますが、コロナ禍の影響で高まった地方回帰の機運を逃すことなく、人口の自然増・社会増を目指して少子化対策の充実や地域の魅力アップへのさらなる取組を行っていかなくてはなりません。また、急速な高齢化、多発・激甚化する災害、地球温暖化、経済構造の変容など、直面する多くの困難な課題を解決していく必要があります。
さらに、令和4年3月に策定した「県政改革方針」に基づいて、持続可能な行財政基盤を確立し、挑戦すべき課題に立ち向かい、時代を切り拓く「躍動する兵庫」の実現に向け、「持続可能で、無駄のない筋肉質な行財政体質へと転換し、定着させること」、また、それと同時に「多様化する県民のニーズ」にも的確に応え、「豊かさを実感できる新時代の兵庫づくり」を達成できるよう、「スリムで機動力のある行財政体質の構築」「誰ひとり取り残さない県政」を進めていかなければなりません。
これらの認識のもと、我が会派では、全ての県民に居場所と出番があり、将来にわたって希望を持つことができる社会の実現に向けた予算が編成されるよう、優先的に取り組まれるべき10のテーマ、計248項目からなる申し入れ項目をとりまとめました。
齋藤知事におかれましては、2024年度当初予算編成にこれらの項目を適切に反映くださるよう、ここに申し入れを行います。