第310回9月定例会 決算特別委員会質問 (県土整備部)
2011年10月17日(月)
県土整備部の皆さんへの質問ということで、やはりどうしても、今回の台風被害についての質問がメインとなってしまいます。
今回、質問を作るにあたり、県土整備部の皆さんや、東播磨県民局の皆さんから説明を受けておりますが、私が当選前に訴えた事の一つとして、県議会が何をしているか見え難い、その意味は、議会と当局が議論している過程が見えないということでした。
ということもありますので、あえて、この公式の場にて、県民目線での質問をぶつけさせて頂きます。可能な限り、質問が被らないよう、また、建設的な質問となっていくよう心がけますので、ご斟酌頂けましたら幸いです。
1 高砂市の県管轄の法華山谷川と間の川について
質問の第1は「高砂市の県管轄の法華山谷川と間の川」について、4点伺います。
(1) 法華山谷川流域の治水対策について
まず、「法華山谷川流域の治水対策」についてです。
この点については、この度の本会議において、自民党の井上議員も質問され、濱田県土整備部長も「県と両市で技術検討会を設置いたしまして、法華山谷川の上下流バランスに配慮した上流部の改修や遊水池の整備、間の川の内水排除ポンプの整備等、総合的で抜本的な治水対策を検討し、年内に結論を得る」と答弁されておりますので、詳細は避けますが、今回の台風12号で大きな被害を受けた地域です。まさに私の自宅がこの地域にあり、先日、地元の皆さんと、高砂市、各議員からなる協議会に出席をさせて頂きました。皆さん、完全復旧もまだの状態で、台風がまだ来る季節でもあり、不安が募る毎日といった状況です。
そこで、この法華山谷川流域の問題点をどのように認識し、これまでにどのような対策を取っていたのか、そして、今回の台風12号でどういう結果になったのかお伺いするとともに、今回の被災状況を踏まえた今後の対策について、タイムラインを示しながらの説明をお願いします。
(2) 河川管理者が異なる場合の市町との連携等について
次に「河川管理者が異なる場合の市町との連携等」についてです。
この法華山谷川と間の川は、県が管理する二流河川に、市が管理する普通河川が注ぎ込む形となっております。この間の川流域の宅地化が進んだ事によって、法華山谷川の水位が上がると、内水が捌け難く水害が懸念される場所でありました。
私は、今回の水害で、県と市の両方の担当者にお話をお伺いしました。さすが、両者ともプロの行政マンであり、真剣に懸念を払拭されようとするご努力を感じました。しかし、縦割り行政の弊害が出てしまった最たるものである気がしております。
つまりは、県管理の河川と、市管理の河川の狭間で、責任の所在が不明確になり、災害が起こる事が想定されながら、先延ばしになってしまっているということです。私は、このような県と市町とが管理する河川で同じような問題を抱えている箇所は無いのかが心配であります。
そこで、法華山谷川のように、県が管理する河川に流入する普通河川等で、内水氾濫が起こる可能性が高いと県が認識している箇所はどの程度あり、また、すでに市町が内水排除について県と協議を進めている箇所はありますか。そして、それらに対して県はどのような対応をし、また、市町と連携を図っているのかお教え下さい。
(3) 総合治水条例案について
次に「総合治水条例案」についてです。
今回の雨量は、想定外だったという言葉がありますが、想定外を想定内にしておくのが行政の仕事でもあります。このように、近年の気候の変化による局地的な大雨や台風、また、宅地化等による地形の変化によって、これまでの治水対策では間に合わない箇所が増加している事が想定できます。こういった現状を踏まえまして、県としても総合治水条例案なるものをパブリックコメントに上げております。
そこで、条例案の概要と、これをもって県民の安心、安全の確保が、どのように期待できるのかを端的にお教え頂けますでしょうか。
(4) 総合治水条例案の実効性について
次に「総合治水条例案の実効性」についてです。
知事が、法華山谷川について抜本的に対応すると仰っている割には、条例案に列挙されている項目は、すでにこれまで実施されているような事業をまとめただけの様に見えます。
また、同条例の目玉施策の中に、調整池の義務化というものがあります。これに類似した制度として、埼玉県では、埼玉県雨水流出抑制施設の設置等に関する条例が、平成18年に施行されております。埼玉県では、これまで行政指導であった1ha以上の開発地においては、調整池が義務付けられ「知事の許可」が必要となる一歩踏み込んだ条例です。これと対比すると、兵庫県が考えているのは、勧告に留まり、これまでの行政指導とあまり変わらないようにも見えます。
そこで、この点について、当局としてどのように認識しているのか、お伺いします。
2 明石海峡大橋について
質問の第2は、少しエールも交えた内容です。自民党の原テツアキ議員が、議員生命をかけているほど重要にされている明石海峡大橋に参戦し、2点お伺いします。
(1) 料金の低廉化または無料化に向けた取組について
まず、「料金の低廉化または無料化に向けた取組」についてです。
私は、大学は京都で、仕事は、東京、海外だったので、自由に自分の意志で旅行をしたり出来る年頃には地元を離れていて、淡路島は、10代の時にキャンプに行ったきり、足を踏み入れていませんでした。
この度、兵庫県に戻ってきて、淡路島には既に3回お邪魔していますが、これほどまでに素晴らしい場所が我が地元にあったのか、と正直驚きました。本州から明石海峡大橋に乗って、真上から眺める瀬戸内の穏やかな表情から、淡路島に入って、神戸、明石の町並みを背中に見ながら、山間部に突入し、山の自然を感じながら、田園風景が目の前に広がり、その向こうには海が背景として、それらの緑を際立たせます。そして、そこには温泉もあるし、国生み神話もある。
私は、47都道府県、全てを旅しましたし、世界の観光地にも、まあまあ行っております。普通の人よりかは、観光資源について目は肥えているかと思いますが、そんな目で見ても、かなり質の高いリゾート地になるポテンシャルを抱えている島であると断言できます。環境未来島構想も良いかも知れませんが、私は、バリ、プーケット、セブなどと並ぶ、アジア屈指のリゾートアイランド計画を今すぐにでも、知事に出して欲しいと本気で思っています。
このような大胆な計画を構想するための、取っ掛かりとして、まずは、明石海峡大橋の有効利用、これが必須かと思います。管理路の利用検討は、原議員が、かなりしつこく訴え続けたので、23年度予算で検討をしております。訴え続ければ、夢は叶う、そんな思いで、明石海峡大橋の料金低廉化、もしくは、無料化についてお伺いします。
昨年12月の307回定例会にて、知事は、「明石海峡大橋の料金低廉化あるいは無料化と併せて、淡路の先駆的な試みへの応援を国に引き続き働きかけながら、県内他地域の再生につながるモデルを住民・産・学・公の協働で形づくっていきます」とのコメントをされています。
そこで、料金の低廉化、無料化というのは、どういった計算根拠から仰っていたのか、またそのために、今どういう動きをされているのかをお伺いします。
また、国は、今年6月に高速道路休日上限千円の廃止を行なった後、8月から全国の7つの高速道路にある割高区間等にて、割引を行ないました。例えば、関越トンネルが1,250円だったのが850円に、関空連絡橋が800円だったのが550円にされましたが、これに滑り込む事は出来なかったのかという点についても併せてお伺いします。
(2) 明石海峡大橋の値下げの可能性について
次に、「明石海峡大橋の値下げの可能性について」です。
地元からは、明石海峡大橋には迂回路がないことから、無料であるべきと言う意見を聞いております。
私が調べましたところ、道路法第48条の2の第2項では、自動車専用道路の指定は、「通常他に道路の通行の方法があって、自動車以外の方法による通行に支障のない場合に限る」とあります。この条文より、明石海峡大橋は迂回路がないことから、一般道路と同様に無料であるべきと、地元は考えているのではないかと思っておりますが、ご意見をお伺いします。
さらに、社会実験と高速道路休日上限千円の効果の分析、検証を通じて、結局、どの程度の利用料が適正なのか、また、国が考えている料金の見通しも含めて、県として、値下げの可能性をどう考えているのか、当局の認識を伺います。
結局、高速道路の無料化は、民主党の失策のように語られていますが、利用料を下げろと言えば、財源論になるのは、重々分かっています。
しかし、兵庫県の有するダイアモンドの原石が淡路島であると私は思っているので、あえて質問させて頂きました。
播丹連絡道路の社会実験割引には、年間約4億円の減収補填がなされている訳ですし、最近の有料道路事業はデフレ下の経済環境で、当初の償還計画とは大幅に計算が狂っている訳ですから、償還期間を国に伸ばしてもらうという選択肢もあろうかと思います。部局は違うと思いますが、経済効果などを考えたり、法定外目的税等で少し補うとか、利用料を低減する方策も考えられます。
何よりも淡路への間口が狭くては何も始まらない訳で、その橋が有効に使われないほど無駄な事はないのですから、何とか知恵を絞って、考えて頂けないかと要望させて頂きます。