議会の動き

小池 ひろのり議員が質問(決算審査・産業労働部)を実施

 

決算特別委員会 [ 10月15日(月)産業労働部・小池理事 ]

1 中国との交流ついて

今、日中間は尖閣列島の関係で冷え切っています。領土をめぐる問題で、自国の考えのみ主張し合えば、不信が募り、対立は増幅して歯止めが利かなくなります。領土問題がどんどんエスカレートして、戦争になってしまうという危険性もあります。
近所付き合いでも悪化すると、隣の家の木の葉や雨水が流れてくると腹が立ちます。ところが、良好な関係になれば、塀や境界線も要らなくなり親しく行き来できます。例えば、モンゴルの遊牧民族にとっては、国境等は関係なく、内モンゴルと外モンゴルの間を自由に往来しています。
中国では、10月1日が建国記念日にあたる国慶節で、約1週間の大型連休となります。毎年多くの人々が、国内はもとより海外へ旅行しています。日本は、これまで中国人の海外への渡航先の上位に入っていましたが、この度の尖閣諸島問題でキャンセルが相次ぎ、中国人観光客は激減してしまいました。韓国へ旅行していた中国人が、テレビインタビューで、「中国各地で起こった反日デモや暴動と同じような状況が日本でも起こっているらしく、危険なので渡航先として今の日本は考えられない」と言っていました。
このように、中国国内には、日本の状況が正しく報道されておらず、日本への不信感がどんどん高まっています。そして、日常生活の不満も重なり、日本料理店や日本車が襲われたりしています。中国から帰国した私の友人の最新情報では、「日本が攻めて来るのではないか?」というとんでもない噂さえ流れていると聞きました。さらに最近では、日中両国間の経済にも大きな影響が出始めており、大変深刻な問題となってきております。
このような状況は、両国にとって決して得することは何もありません。友好関係の構築が発展途上にあるなか、領土をめぐる問題を浮き立たせ、不信感を煽るのではなく、友好交流を進め、信頼関係を高める中で、領土をめぐる問題を解決していくべきであると考えます。
日中関係がぎくしゃくしている時こそ、10年20年先を見据えて議会も行政も、国際交流を進めていくべきであります。アジアの平和と繁栄に向けては、日本と中国の果たすべき役割が大きいことは、どなたにも異論はないと思います。まだまだ発展途上にある人口13億人の中国と、少子・高齢化が急速に進み文明社会と言われる人口1億2千万人の日本が、お互いの立場を理解し協力することで、アジアの平和と繁栄へ貢献するものと確信するものです。今や、経済的にも対中貿易を軽視した日本の発展はあり得ません。既に我が国は、対米貿易より中国の関係の方がはるかに大きく、もはや経済面でも日本と中国は切っても切り離せない関係になっています。
今、進めるべきことは地道な日中交流で信頼を高め、お互いを認め合い、共に発展をめざし、共生していくことが大切なことだと思います。そこで、23年度における中国との交流の状況について、今後の方向性と併せてお伺いします。

2 海外からの旅行者に向けた観光情報の発信について

尖閣の問題が浮上する直前、中国から日本への観光客は急激に増加していました。その原因の一つとして、中国人向けの個人観光ビザの発給要件が緩和され、訪日旅行の対象が富裕層から中間層に広がった影響によると言われています。
中国人の日本国内旅行客は、8月末の地点では、対前年比約1.7倍とも言われています。2012年に神戸港へ入港する客船は110隻、3,000人乗りの豪華客船“ボイジャー・オブ・ザ・シーズ”だけでも上海から年4回来神することになっています。観光による経済効果は、大変大きなものがあります。
今定例会で我が会派の前田議員が一般質問においてスポーツツーリズムの重要性を訴えたところです。私も、スポーツのほか健康・食などテーマ性を持ったツーリズムや交流の支援を積極的に展開すべきと考えます。
現在、中国からの観光客は、今や前もってインターネットなどで調べてから来日しています。このような現状に応えるためにも、兵庫県としては、海外からの観光客がどの様な事に関心を示し、どのような情報を欲しがっているのか、もっとリサーチを行い、戦略的に情報発信をしていくべきと考えます。
現在は、尖閣問題もあり、中国からの観光客は激減していますが、今こそ逆に兵庫の情報を、インターネットなどを通じて効果的に発信していくべきと考えます。海外からの旅行者に対する観光情報の発信の現況について、今後解消していくべき課題と共にお伺いします。

3 兵庫県香港経済交流事務所の活用について

最後に、10月1日に開設した兵庫県香港経済交流事務所について、お伺いします。
私は、中国へ行く機会が多くありますが、ポスターなど兵庫県が発信している情報を目にした記憶はほとんどありません。
これまでより、県内企業の海外支援に関しては、海外事務所やひょうご国際ビジネスサポートデスクにより行われてきましたが、観光客の誘客促進や、県内の工業製品や地場産品の販路拡大支援については、あまり取り組みがなされていないように思います。
今年に入ってから、神戸ビーフが香港・マカオに輸出解禁となり、神戸に対する関心も大きくなっています。これからは、中国人が関心を持つような物産展・観光展のプロモーションを中国で開催する等、県としても積極的に支援すべきと考えます。
香港経済交流事務所には、このような物産・観光等のPRの機能も付加されていると伺っておりますが、今後はさらなる香港経済交流事務所の活用により、兵庫への観光客が増え、兵庫・神戸の経済発展につながることを期待するものです。
そこで、香港経済交流事務所の活用をどのように考えておられるのか、また、県内企業の海外事業の展開については、香港経済交流事務所の開設により、従来から実施している海外事務所、ひょうごビジネスサポートデスクと機能が一定重複する面もあると思いますが、それぞれの役割分担をどのように行い、連携体制をどのように構築していくのか、また、県内の総合相談窓口であるひょうご海外ビジネスセンターへの情報の集約体制と共に、お伺いします。